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気付きページ2

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　俺は失恋をしたらしい。

らしい、というのも俺は気づかぬうちにちゃんと恋をしていたとやっと分かった。優しくて憧れだった先輩が、手続きだかなんだかでかわいいお子さんを連れて久しぶりに会社に現れて、その幸せそうな顔と、幸せの塊を抱かせてもらったとき心が暖まる反面、すごく辛くなった。

俺、ちゃんと笑えてたかな？

この子が俺の子供だったらいいのに、と思う時点でお察しだ。
なかなかに往生際が悪い自分に心底嫌気がさした。

先輩が帰った後の社内は、先輩の話題で持ちきりだった。ワイワイする皆を余所に俺は静かに沈んでいた。旦那の顔も、どんな人かも知っている。俺のことを警戒してたけど、それは間違いではなかった。よく見てるよな、と他人事かのように思った。

まだ午前中だというのに、今からでも酒を飲んで暴れたくてたまらなくなった俺は、ラインのトーク欄をスクロールしてぴたっと指で止めた。そして目についた名前に久しぶりの飯の誘いをするのだった。

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　そんな俺の慰労会だとも知らずに快諾してくれた大学時代の後輩が予約してくれた創作料理の店に入った。男二人でこんな洒落た所、少しむず痒い。飲んで暴れるようなところではない。

「てか、ひっさしぶりだな彼女できた？」
「まずそれ聞く？」
「できてないな？」
「うるさいな、そっちこそどーせなんかあったんでしょ」

　なんも言ってないのにお見通しかよ。じとっとした目で図星をついてくるとは、後輩のくせに生意気だ。

　
結局仕事の話とか、昔話ばっかりに花が咲いてしまい時間もあっという間に過ぎていく。暴れることはできなかったけど、酒と飯の相性が良くてほどよく酔っ払ったころ、セフンが話の途中で何かを目で追い出した。

視線の先を辿ると、１人の女の子が化粧室から出てきた所だった。

「……」

　どんどん近づいてくる女の子。一瞬、俺の好きだった人かと思った。似てる。すんげー似てる。でも髪の長さが違う。

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