完璧じゃない男たち

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第3話


　繁忙期はどの部署も残業が当たり前なほど忙しく、例にならって私もチャニョルも残業続きだった。それにも関わらず、行っていい？と言われるけれど体力的にも精神的にも疲れていて 、何より時間がないからここ最近ずっと断っていた。

正直こんなときは私だってチャニョルに甘えたい。だけど今となっては甘えさせてくれないし、甘えてくるチャニョルの色々な癖(へき)に付き合うのはダルかった。




　お昼休み、ゆっくりご飯を食べる時間も惜しくてコンビニのおにぎりを食べながら仕事を進めてたら、頬っぺたにじんわり暖かいものが当てられた。ビックリして振り返れば、今日もカッコいいチャニョルが缶のコーンポタージュを２つ持っていた。


「びっ…くりした」
「お昼くらい休めって」
「うーん、早く帰るためには今惜しくて」
「分かる。俺も早く帰りたい」
「みんなそうだよね」
「ま、これでも飲んで」


　どこの自販機で買ってきたか分からないけどありがたく受けとる。やっぱり外で会うチャニョルはかっこよくて優しくて私想いで、癒しそのものだ。そんなチャニョルもコンビニの袋をぶら下げている。


「A」
「ん？」
「今、会議室空いてるからそこで一緒に食べない？」
「…いいの？」
「いいって。行こ」
「でもこれ終わってない」
「今は昼休み！」


　強引に手を引いて連れていかれる。人に見られないようにコソコソ会議室に入ると、電気をつけるより先にチャニョルにぎゅうっと抱き締められた。身長差があるために顔が胸押し付けられていて、息がしにくい。


「うっ…チャニョル…」
「A〜うう〜」
「……」
「Aが足りない！無理無理もう無理！」



　えっと、入ってくるときに人変わりました？




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