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「……大人だね」
ページを捲るキムジョンインに話し掛けたら顔をあげて私をじっと見てきた。でもすぐ元に戻った。
「そうしようって必死なだけだよ」
「……何に？」
「何でもない。勉強は？」
「する気になれないから飲んだら帰る」
「待って、あ……あの、おかわり飲んでもいいから」
「んー…好きだけどこれだけで十分」
それにいつもお姉さんからごちそうしてもらってる。だからおかわりなんて申し訳なくて出来ない。
「言ったらスッキリしたし」
とは言えやっぱりメラメラ子供っぽい嫉妬心を燃やしてはいるけど、ちゃんとそれを言葉にできるくらいには落ち着いた。
キムジョンインが勉強するのを見ながら、ちょっとづつ飲み進めた。冷めてくると飲みやすくなってペースも早くなる。底が見えたから一気に流し込んで、膝の上のタオルケットを畳んだ。キムジョンインがぱっと顔をあげて『もう行くの？』と小さい声で聞いてきた。
「うん。ごちそうさま」
「……まだいいのに」
「ううん。あと、ありがとう」
勝手に一匹狼になった私を追い掛けてきてくれて、さりげなく気を紛らわしてくれて、話を聞いてくれて。おかげで元気でた。
そこまで言うのは照れ臭いから言わないけどね！
お姉さんにもお礼を言って一人で店を出た。
たしかこの辺は居酒屋とかがたくさんある。この辺で先生たちがご飯するのかなぁって思うと、早く大人になりたいという気持ちが大きくなった。
・
家に帰ってお店で晩御飯を食べて、お風呂も入ってリビングでゴロゴロしてたらお母さんが戻ってきて『勉強は？』って聞いてきた。
「今日は休み〜」
「あんた今まで真面目じゃなかったんだから休み取ってたら間に合わないよ」
「………」
「ふてくされてないで今までの自分を恨みなさい」
お母さんのズバッと正論には腹が立つけどその通り。
私の今の頭じゃ志望校は合格できない。
怠い体を起こし、勉強するために部屋へ戻った。でもベッドを見たら転がりたくなって、転んだら眠たくなってきた。昨日の夜更かしもあってか今日はずっと眠い。
ちょっと早いけど寝てしまおうかな。
先生の誕生日があと3時間で終わっちゃう。
なんにもできなかったな。
『A、勉強してるか？』
目を閉じかけたらドアの外からお父さんが話し掛けてきて『んー』と嘘をついた。
『男前が差し入れ持ってきてくれたぞー』
え……？お父さんの言う男前、ってチャニョル先生！？
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こむ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！パスワードがかかった作品は公開終了となっており、お教えしておりません。すみません！ (2021年10月5日 20時) (
レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - そらぬこさん» 攻防のときから！長らくお付き合いくださりありがとうございます！このあとの話も更新しましたので、まだお付き合いいただけるようであれば、ぜひ読んでくださると嬉しいです！ありがとうございますー！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - omatsuさん» 遅くなってしまい申し訳ありません…。最高のひとことをありがとうございます！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - よーこさん» よーこさんありがとうございます！めちゃくちゃ遅くなってしまいすみません。あたたかいコメントに胸が熱くなりました；； (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ギョンちゃんさん» 大変遅くなってしまいましたが、こちらこそ読んでくださってありがとうございますー！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年10月16日 19時
