: ページ18
.
学校前のバス停の時刻表を見てまだ来ないことを確認して、坂を下りた。ここより大通りに出ればバスの路線も本数も増えるから。
キムジョンインは相も変わらず私の三歩後ろを、同じ歩幅でついてくる。
「A、明日の放課後面談だよ」
「……」
「俺は明後日の昼休み」
突然何を言い出すのか、と思ったけどＨＲでそんな話をしていたんだとすぐに察した。
「A〜」
「……」
「もうそっちに行っていい？」
無視してたら、長い足をスタスタ進めてすぐ隣に並んできた。そこからは私の歩幅に合わせる。
「もしよかったらねーちゃんのカフェ行かない？」
「……」
「静かだし勉強できるよ」
キムジョンインのお姉さんのカフェはおしゃれで静かで好きだ。特にキャラメルラテがお気に入り。
・
グレーのふわふわのブランケットを膝に掛けてくれたキムジョンイン。そのあとテーブルの上にカフェラテと、キャラメルラテを並べた。
「ありがとう」
「女子って寒いのにスカートでかわいそう」
「……担任なんか言ってた？」
「何も言ってなかったけど」
あそこでガミガミ言われたらなんだか対等な気がしたけど、結局一人で勝手に不機嫌になって……子供丸出し。
「昼から急に変だよ」
言いながら鞄から問題集とルーズリーフを取り出したキムジョンイン。真面目すぎる。
「……なんかね」
「うん」
「今日、先生の誕生日なんだよ」
すぐには相槌がなく、きちんとテーブルに勉強道具を広げてシャーペンの芯を出してから『うん』と相槌をくれた。
「でね、担任とふたりでご飯行くんだって」
「………」
「どうおもう？」
「えっ、どうって……」
そう、困った顔をするのも無理はないか。
「……やなんだけど私」
キャラメルラテを手に取り、この綺麗な出来映えに少し躊躇いながら口をつけた。
「誕生日に女とご飯ってそういうことじゃん？」
「どういうこと？」
「そういう仲ってことでしょ？違うの？」
「いや、知らないよ……でも大人は色々付き合いもあるだろうし、そんな仲とも限らないんじゃない？」
キムジョンインの大人な考え方に少し驚いた。そして、そうなのか…とも思ったけど、でも！どんな付き合いであってもチャニョル先生の誕生日にご飯は私として許せないし。
私は、こんな付き合いでも先生がうちの店に来てくれなきゃ会えないし。
多分、すっっっっっごく羨ましいんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 855人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こむ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！パスワードがかかった作品は公開終了となっており、お教えしておりません。すみません！ (2021年10月5日 20時) (
レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - そらぬこさん» 攻防のときから！長らくお付き合いくださりありがとうございます！このあとの話も更新しましたので、まだお付き合いいただけるようであれば、ぜひ読んでくださると嬉しいです！ありがとうございますー！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - omatsuさん» 遅くなってしまい申し訳ありません…。最高のひとことをありがとうございます！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - よーこさん» よーこさんありがとうございます！めちゃくちゃ遅くなってしまいすみません。あたたかいコメントに胸が熱くなりました；； (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ギョンちゃんさん» 大変遅くなってしまいましたが、こちらこそ読んでくださってありがとうございますー！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こむ
| 作成日時：2019年10月16日 19時
