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緊張する、と言い残して最後のバトンを受け取りに行ったキムジョンインは誰よりも俊足で、二位との差を大きくつけてゴールテープを切った。応援席にいた同じブロックの生徒たちがわらわらと駆け寄りハイタッチをしている。私は次があるからそれに混ざれなかったけど、チャニョル先生がその光景を見ながらほんの少し微笑んだのを見て心が苦しくなった。でもこれは良い苦しさ。
「……第三走者は前に」
先生に呼ばれ、私を含む女子の第三走者の生徒がコースに並んだ。順位に応じて場所を入れ替える。そうすると一番内側になって、先生に近づいた。先生は走っている生徒を見ていて私のことは見ていない。でも視線に気づいたのか、ふっと視線を私にくれた。
久しぶりに先生の目を真っ直ぐ見た。
リレーの緊張なのか、目があったことへの嬉しさなのか、今すぐ吐きそう。
前の走者が近づいて来て、だんだん前へと進む。バトンを無事に渡されてから全力で走った。ああ、これ先生が見てるのかなって思ったら恥ずかしくて堪らなくなったけど、応援席で『A先輩頑張れー！』とか『Aさん行けー！』って聞こえたから頑張って走った。
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「Aちゃん早かったね！一位だったね！」
「ジョンインとAさんのお陰で男女一位だよ」
お昼になりいつもの四人で丸くなって弁当を食べる。
キムジョンインとはお互いの健闘を讃えて無言でハイタッチ。
「次は応援合戦だから早く食べ終わんないと」
「あー、なんかドキドキしてきた」
「振り間違えたらどうしよう……」
「大丈夫だよ、笑ってごまかせば」
「じゃあジュンミョン君が笑ったら間違えたんだなって思っておくね」
次の応援合戦は３年生の最後の種目になる。あとは下の学年の競技があるくらい。食べ終わったら教室に戻って着替えなければならず、あまりゆっくりはしていられない。急ぎ気味で食べ終わって四人で校舎に走った。
女子更衣室になっている教室に戻ると女子はもう早々と着替えてメイク直ししている人が多く、そのなかで静かにチアの衣装に着替える。後ろのジッパーをユラちゃんと閉め合ってお互いの髪を結びあいこしていたら、あまり話したことがない女子が寄ってきて『髪巻いてあげる』と垂れ下がった髪をコテで巻いてくれた。
準備が終わり、女子全員でぞろぞろと運動場へ移動する。そこにはすでに男子達が集まっており、ワイワイしていたくせに私たちを見るなりちょっとよそよそしくなっている。
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こむ(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！パスワードがかかった作品は公開終了となっており、お教えしておりません。すみません！ (2021年10月5日 20時) (
レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - そらぬこさん» 攻防のときから！長らくお付き合いくださりありがとうございます！このあとの話も更新しましたので、まだお付き合いいただけるようであれば、ぜひ読んでくださると嬉しいです！ありがとうございますー！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - omatsuさん» 遅くなってしまい申し訳ありません…。最高のひとことをありがとうございます！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - よーこさん» よーこさんありがとうございます！めちゃくちゃ遅くなってしまいすみません。あたたかいコメントに胸が熱くなりました；； (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ギョンちゃんさん» 大変遅くなってしまいましたが、こちらこそ読んでくださってありがとうございますー！ (2021年10月5日 20時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年10月16日 19時
