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お兄ちゃんたちの子供、つまり私の姪っ子ちゃんはまだまだ赤ちゃん。女の子が生まれ、喜びに包まれる我が家のなかで私はこっそり『私と同じような人生を歩むのかな』と哀れんでしまった。でも本当にかわいい。何も出来ないことはさておき、何でもしてあげたいと思うほど。
もう少し大きくなったら、家に遊びに来てほしい。
美味しそうな匂いに釣られたみたいにリビングへと早々向かった父と兄。玄関先にセフンと二人きりになった。
「おかえりなさい！セフン」
「……ただいま」
あれ？
「どうかした？」
いつもだったら……
セフンは首を傾げる私を見ると溜息を吐き、
「気楽でいいよね……」
と呟いてリビングへ入って行った。
父と兄と私とセフンで食卓を囲んでクリスが作ってくれた美味しい料理に舌鼓をうつ。お父さんとセフンは義理の父と婿になるわけで、今までの雇い主と使用人より距離感は近いけれど、セフンはより腰が低くなっている。
「ちゃんとAを見てやってるか？」
「Aを心から愛してるか？」
「Aを泣かせたら覚悟しておけよ」
「Aに不自由な思いをさせないでやってくれ」
それにお父さんの過保護ぶりは健在で、口を開けばそればっかりで呆れるし恥ずかしい。
『セフンがいるなら何の心配もないわ』『セフン、Aが何かしたら遠慮無く叱ってね』って言うお母さんを見習ってほしい。
だけど、これも親の愛だよとお兄ちゃんに言われてしまい、やめてよ！とは言いづらい。
「でもなぁ……、やっぱりこの家は狭くないか？」
でも、お父さんのこれは本当に嫌い。
「全っっ然狭くない！たくさん部屋が余ってる」
高級高層マンションの最上階、ペントハウスが狭いと思うお父さんの感覚にはさすがに引いちゃう。二人暮らしには贅沢すぎる物件だ。掃除も大変だし。………クリスが。
「南の方に土地があるからそこに建ててあげようか」
「だからー！ここで本当に満足！充分！」
「わっはっは」
何がわっはっは？
笑いが止まらないお父さんが持っている空いたグラスに、セフンがお酒を注ぐ。
「おお……それにしてもお前は……よく頑張ったな」
そんなセフンを見上げるお父さんは、恐らく酔いが回り始めている。お兄ちゃんが呆れたように息をついて『また始まった』と背もたれに寄りかかった。
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こむ(プロフ) - 〇〇さん» まさかコメントを頂けるとは思っておらず、大変遅くなってしまいましたがこちらこそ本当にありがとうございます。こうやって感想頂けることで忘れかけていた執筆時の思い出が蘇ってより一層自分にとって大切な作品になりました。本当に嬉しいです！ありがとうございます (3月8日 19時) (
レス) id: 65eaa14bbb (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - 作者の方に心の底から感謝を伝えたいです。長編になると話の筋がよれてしまったり途中で終わってしまったりしますが、無駄な話も無くしっかり伏線回収して感情移入しやすい描写を多く入れてくれて、、、プロの小説家さんだ、号泣しました。本当にありがとうございました (10月30日 0時) (レス) @page47 id: dc7d3a4bc1 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございますー！お返事遅くなってしまい申し訳ありませんTT一気読みお疲れ様でした！そしてめちゃくちゃ嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。大変恐縮です；；私もこれを漫画で見たい気持ちでいっぱいです(≧∇≦)いつか縁がありますように…笑 (2020年3月30日 15時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - EXO_Unicorn1228さん» はじめまして！コメント頂いていたのにお返事遅くなってしまってすみません；；泣いてもらえるとは…！笑 11章という長さになってしまうほど描写に拘ってきて良かったなぁと思いました；；最後までお読み下さり本当にありがとうございました(*^^*)！ (2020年3月30日 15時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 淡藤さん» 淡藤さま！お返事がとんでもなく遅くなってすみません；；何度も読み返してくださり本当にありがとうございます！ツンで甘いせふん、私の中でもかなりお気に入りのキャラですのでそう言っていただけて超嬉しいです(*^^*)またお見せできたらいいなぁ… (2020年3月30日 15時) (レス) id: fd99a38d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年10月9日 22時
