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・・・
お嬢様は最近泣かなくなった。一切とは言えないが、辛抱強くなったようで泣くとしても静かに一粒流すだけ。だから久しぶりに、あんなに子供みたいに泣きじゃくったお嬢様を見ると心が痛い。
後部座席の扉が開いていて、離れたところにいても中の様子を伺うことが出来る。泣き崩れるようにシートに横たわったお嬢様。隣にいるジョンインも、眉を寄せながらその様子を見つめていた。
「……なぁジョンイン。あれを見て、自分の行動が正しいものだったと胸を張れるか？」
電話の相手はセフンだろう。
ジョンインがどうしてこの行動に出たのか、分かるような分からないような。だが、とても歓迎されたものではない。セフンに関する情報は口外禁止だと言われてるし、お嬢様とセフンの僅かな接触も許されていない。それを守れない場合は規則違反となる。
いや、俺が言いたいのはそうじゃない。規則違反をしたことを咎めているわけじゃない。ああやって中途半端に餌をやるようなことが、お嬢様にとって喜ばしいものなのか、ということだ。
だったら会わせてやれよ。どこにいるか教えてやれよ。
でもそれが出来ないのなら最後まで貫き通せ。
「このことは黙っておいてやるけどな、感情的な行動は慎め」
「……はい」
ジョンインは下を向いて反省している様子だったが、すぐに顔を上げて俺に向かって言い訳をし始めた。
「でも、お嬢様があいつを少しでも忘れちゃったらって考えたらやりきれないんです」
「……」
「だってそんなの、あいつが辞めた意味がなくなるじゃないですか」
親に怒られて歯向かってくる子供か。
ジョンインとセフンがとても仲の良い同僚だということはよく知っている。使用人の屋敷で二人で遅い夜飯を食いながら話しているのをよく見かけた。仕事ではしっかりしている二人だけどオフじゃよく笑ってた。セフンに辞めると伝えられたとき俺も寂しく感じたが、ジョンインはもっと寂しそうだった。今は夜飯を一人で静かに食べているし、気を抜ける話し相手がいないからって静かに読書に耽っている。
ジョンインはおそらく、お嬢様のためじゃなく、セフンのために行動してるんだろうな。仲の良い友達のために。
「そんなに心配しなくてもお嬢様はセフンを忘れはしないよ」
高い位置にある肩に手を置いて諭すと、ジョンインはこくりと頷いた。車の中では『やだ』と駄々を捏ねるお嬢様がいる。ジョンインは時計を確認して、早足で車へと戻っていった。
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こむ(プロフ) - アキナさん» アキナさん、遅くなってすみません；；めちゃめちゃ嬉しいお言葉をありがとうございます(T▽T)アキナさんのお初をいただけて光栄です……！！ゆっくり更新になっていますが、ぜひ最後までお付き合いいただけたら幸いです！ありがとうございます〜(*^▽^*) (2019年10月20日 15時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
アキナ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！このお話大好きです！こちらのサイトのお話で初めて泣きそうになりました(ベッキョンとのところで)更新楽しみにしてます！ (2019年10月10日 7時) (レス) id: e981ced4a9 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ともはさん» ともはさん！更新が遅くなってしまいがちですが、ここまでついてきてくださって本当にありがとうございます〜〜；；めちゃくちゃ嬉しいです；；セフンはどうしてるのでしょうか……この先更新頻度をあげていこうと思っています^▽^最後まで宜しくお願いします〜！！ (2019年9月15日 22時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ともは(プロフ) - こむ様 更新ありがとうございます！嬉しくてイッキ見したので今からじっくり読みます^ ^ セフンはどうしてるのかな？(；ω；) (2019年9月14日 20時) (レス) id: d21995dfcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年8月11日 21時
