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先生が机を教室の隅に動かしている。私に気付くなり『おはよう』と笑ってくれた。
もしかしたら居ないかもしれない。そう思ってたから、先生の姿を見て安心していつもの通り泣きそうになった。
「私も手伝います」
「ありがとう。その椅子たちを円形にしてもらいたい」
「はーい」
バラバラに置かれていた椅子で綺麗な円を作る。先生はその真ん中に石膏像を置いた。
「冬休みは何をしてたの？」
角度を確認しながら、私を見ずに聞いてきた。私は適当に椅子に腰掛け、ギョンス先生の小さな肩幅を見つめた。
「……初詣行った」
「言ってたね。楽しかった？」
「はい」
「何をお願いしてきた？」
それ聞いちゃダメだよ。私が言ってもダメ。叶わなくなる。
「ギョンス先生が美術の先生を辞めませんようにって」
でも言っちゃった。神様にお願いするより本人にお願いした方が叶うかもしれないし。だけど付き合えますようと願ったことはやっぱり秘密。
先生は少し間を開けてゆっくり振り返った。
目が合うと心臓がばくばく言い始める。
「先生……、お店に来てくれたとき、私の絵を描いてくれた？」
先生が近付いてきた。ゆっくりと私の視線が上がっていく。すぐそばに来た先生を見上げると、先生が何かを言おうとして分厚い唇を開く。その時に、扉が開いて生徒達が入ってきた。
「おー、もしかして見て描くやつ？」
「……そうです。おはようございます」
先生は結局私に何も言わない。わざとじゃないことは分かってるけど、邪魔されたことにイラついてはぁっとため息をついた。
「三学期の授業はこの石膏像を描いて終わりになります」
授業が始まり、みんな一斉に取りかかり始める。スケッチブックを走る鉛筆の音が気持ちがいい。どこからどう描き始めるかは最初の授業で学んだ。
滞りなく、各々の角度から石膏像を描いていく。先生は私達の後ろをぐるぐる周り、たまに修正やアドバイス、褒め言葉をかけながら私達を見てくれた。
私の後ろを通った先生が、ぴたりと立ち止まって覗き込んできた。背中に感じる先生の熱にドキドキする。
「もう少し濃淡をつけるといいですよ」
「の、濃淡……」
「……」
手を止め、どうすべきか考えていたら先生の手が伸びてきて、鉛筆を握る手を優しく包み込んできた。
勝手にかさついてる肌を想像していたけど、実際は本当に柔らかくて赤ちゃんみたい。私の手を自分の手に見立てて動かす。
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こむ(プロフ) - りんごさん» りんごさん遅くなってすみません！花束一気読みありがとうございます！話が面白すぎて……この言葉で飯が食えます。嬉しい！じゅんみょん弁護士との話、私もその後が気になってます。いつか書けたら公開しますね！その時は宜しくお願いしますー(*^O^*) (2019年10月20日 15時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 嘘の花束1~8まで一気に読ませて頂きました！私ｴｸｾﾙではないのですが(もちろん顔や名前、曲は知ってます)お話が面白すぎて引き込まれました！どのお話も面白く大好きですがｼﾞｭﾝﾐｮﾝさんの弁護士さんのお話…その後が気になっております！また9.10とお話が続く (2019年10月10日 10時) (レス) id: 468b4d31bd (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 充さん» 充さん遅くなってしまってすみませんT＿T ん〜…現実と少し重なってしまう部分はあるかもしれません；；涙を拭いてください；；ぜひ田舎（兵役）についていって後ろを追っかけ回して先生を笑顔にしてあげてほしいです！笑 尊敬だなんてとんでもない！精進いたします！ (2019年7月9日 13時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ソルさん» ソルさん、コメントありがとうございます(*^^*)遅くなってしまってすみませんT＿T こんな先生とこんな出会いがある世界を生きてみたいものです；；笑 最高！ありがとうございます！！めっちゃくちゃ嬉しいです〜〜励みになります！ (2019年7月9日 13時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - みんさん» みんさん！遅くなってしまってすみません(T＿T)ぎょんす先生すきしか思い浮かばない……！？！わ〜〜嬉しいです(*^▽^*)ぎょんす先生も嬉しいと思います(*^^*)笑 こちらこ読んでいただきご感想も寄せてくださってありがとうございました〜♪ (2019年7月9日 13時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年6月4日 20時
