: ページ16
.
話しながら向かっていたらあっという間に到着し、ウェルカムドリンクをいただきながら会場が開くのを待った。
ジュノ君の大学の知り合いがたくさん来ているらしく、度々挨拶に来ては私にも紹介してくれてその都度自己紹介を返すと『あっ』みたいな顔をしてかっこつけていた。
自分で言うのもおかしいけど、父と兄が抱えている会社はどこの何よりも大きい。その娘、妹の私はこういった界隈ではそれなりに価値が高いらしい。高嶺の花みたいな存在？でも実際は何にも出来ないお子様なんだけど、社会での立ち振舞いは身に付いているから、完璧に隠せている。……おそらく。
「まさか、ドAさんにお会いできるなんて」
「こちらこそ…」
「よかったらあちらで話しませんか？」
そこでセフンが『申し訳ありません』と、言う前に
「ダメダメ、二人きりにさせるもんか」
とジュノ君が冗談混じりで制してくれた。セフンがムッとしている雰囲気を肌で感じた。
「え？なんだよお前、ボディーガードかよ」
「そーだよ。だからだめ。ね、Aちゃん」
「えっ…あ、はは」
ジュノ君は優しい。
友達が去っていくと私に笑いかけてくれた。
「俺もAちゃんを守るように言われたんだ。父さんに」
「え？」
「さっき、父さん達が話してるからって少し離れようとしたら、Aちゃん頑なに動こうとしなかったじゃん？それで、俺ちょっとショック受けてたんだけど」
「ご、ごめんっ…」
「ううん。そしたら父さんが"責めるな。守ってやれよ"って真剣な顔して言うから事情があるのかなって。それは聞かないでおくけど。でも俺がいたら人が集まってきちゃうね。針鼠のジレンマだこれ」
そう言って頭を掻いて、へへって笑う。警戒して、遠ざけようとしていたのが申し訳ない。『ごめんね』って言うと『全然』って目を細めて、照れ臭そうにしているのが可愛かった。
・
「で、連絡先を教えるとか意味がわかりません」
「ごめん……断れなくて……」
お手洗いから出ると、ツンとした表情のセフンが私にすっとハンカチを出してくれながら怒った。あんなことを言われて『今度別の場所で話そう』ってスマホを出されて連絡先の交換を求められたら、断れない。
「だから、いや……何回言ったら分かるんですか？」
「そうです…本当に…」
「そういう手かもしれないって疑え」
「うん……でも」
「でも？なに？」
ジュノ君は悪い人じゃないと思う…って言いたかったけどやめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 693人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こむ(プロフ) - arikuiisexoxoさん» いつもありがとうございます(*^O^*)遅くなってしまってすみません；；#9にしてやっとセフンの想いを表す一言がでました！！胸を打たれたのはきっとその場にいた全員ですよね(／▽＼)！これから最終章に突入する感じです！最後まで是非よろしくお願いいたします〜(*^^*) (2019年8月29日 20時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
arikuiisexoxo(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。セフンの愛してます。心臓ぎゅーんって痺れました！！！ギョンスの提案めっちゃ気になります。主人公の行動力関する感じかなと予想しつつ、更新待ってまーす！ (2019年8月12日 15時) (レス) id: e6ce84a282 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - なりさん» なりさんコメントありがとうございます(*^O^*)キュンキュンしていただけてめちゃくちゃ嬉しいです……それなのにーー！！！どこ行った！最後までお付き合いいただけたら幸いでございます……(／▽＼)♪ (2019年7月25日 18時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - シオンさん» シオンさぁああん！やだあああああ！！！(´；ω；`)誰やこんなん書いてるのーーーーー！！ (2019年7月25日 18時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
なり - めっちゃめっちゃキュンキュンします！！！！セフンどこ行っちゃったのかすごく気になります、、！！！ (2019年7月15日 18時) (レス) id: 811f6ebbd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こむ
| 作成日時：2019年6月3日 21時
