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「さっきなんで怒ってたの？」
エレベーターを降りて家に向かう短い距離もベッキョンは私の手を引いて歩いた。鍵を開けるときも繋いだまま。
「え？怒ってないけど」
「ううん、めーっちゃ機嫌悪かったじゃん」
「そうだっけ？もう忘れた」
「はぁ…？」
家の中に入ると漸く手が離れた。その代わりぎゅっと体を抱き締められる。
この状況だけ見れば甘い感じはするけれど、全ての行動が私の都合を気にしないベッキョンの意思によるもので、つまるところ根が俺様だ。私、まだ片っ方の靴履いたまま。
「ギョンスが全部持っていきやがった」
「……ん？」
「ギョンスんとこ行かなきゃよかった」
「あ……お惣菜食べたかった？」
そう聞くとベッキョンは勢いよく体を離し、私の肩を持って『え？』と言った。
「惣菜？は？お前何言ってんの？」
「え……ベッキョンがお邪魔したお詫びにデパ地下で買ったお惣菜全部あげた」
「………」
「珍しいね。いつも食べないのに」
「まあ、今日だって間違いなく食わねーな」
「じゃあ別によか、」
「よかねーよ馬鹿」
頭に優しいチョップを下ろしたベッキョンは、脱力したように笑いながらスリッパを吐いてリビングへと入っていった。解放された私は漸く完全に靴を脱いで部屋へと上がる。ベッキョンは出て行ったときと同じようにソファーに寝転んで占領し、早速スマホを触っていた。
ベッキョンのお腹辺りの小さいスペースに腰掛けると、スマホを床に落として私のお腹に腕を巻き付けて抱きついてくる。
「あー…そうだった。Aって馬鹿なんだった」
「は？」
「高校んときもなんか……こんなことあった気がする……」
「何？さっきからずっと悪口だけ言われてる」
ベッキョンは起き上がり、私を自分の足の間にいれるようにして座り直した。肩に顎が乗り、ガクッガクッと顎を動かして振動与えるしょうもないちょっかいを掛けてくる。
「痛いってそれ……ていうか髪切ったし染めたんだけど何かないの」
しつこいベッキョンのおでこを叩く。だいたい、結構な髪型の変化なのにまだ何も聞いてない。
「旦那様を叩くな」
「……これはこれは失礼いたしました」
叩いた場所を撫でてやると満更でも無さそう。
今のベッキョン様のご機嫌取りは案外簡単。
「で？私どう？」
体ごと後ろを振り返ると、ベッキョンはジロジロと髪と顔と体を見てくる。そして柔らかく目を細めると、綺麗な指先でさらりとサイドの髪を触った。
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こむ(プロフ) - ににさん» ににさま、コメントありがとうございます！大変遅くなってしまってすみません(T＿T)すほさんのお話気に入っていただけたようでとても嬉しいです！私も好きなのでつい書いてしまいました。笑 今のところ続きはご想像にお任せしておきますね……(#^.^#) (2019年5月8日 0時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
にに(プロフ) - スホさんのお話、大好きです。こういう闇的展開。悪魔だと思ってた人が天使で、その逆もしかり。続編があったらいいなと思います。 (2019年4月20日 11時) (レス) id: 4f645da4fc (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - きな子さん» うえ〜ん；；ずーっとお付き合いいただき、本当にありがとうございますー！！めちゃくちゃ嬉しい…こちらこそ感激です(*ToT)こんな出会いや人がいる世界に生きたいものですね。妄想の世界っていいなぁ(笑)これからもお付き合いのほど何卒よろしくお願いします*^^*！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 雲丹さん» 雲丹さんセフンペンさんなのですね！おめでとうございます(#^.^#)セフンペンさんに読んでいただけて嬉しいです〜；；でもベッキョン先輩と付き合いたい(笑)セフンちゃんと付き合ったってくださいヽ(´ｰ｀ )ﾉ！笑 こちらこそ、いつもありがとうございます雲丹さん！！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - マさん» コメントありがとうございます〜！幼馴染みセフンお読みいただけて嬉しいです；；そして相撲部屋のぶつかり稽古がツボにハマったようで……それを聞いて笑ってしまいました(^o^)笑 ベッキョン先輩の稽古は優しいんでしょうね^.^！お付き合いありがとうございました〜！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年4月7日 23時
