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信号が青になると私の手を強引に繋いで、がに股早歩きで横断歩道を渡っていく。最大限の早歩きをして必死についていくしかない。
「ほんっとお前トロいな。ちゃんと歩けって」
「いやっ、歩いてるけどベッキョンが早すぎる…」
「んじゃこれは完全に足の長さの問題かな」
「待って、言いながら走り出すの止めてっ…もー！」
マンションまでの真っ直ぐな道を、手を繋いで走り出すアラサーの私達は端から見たら相当なお馬鹿ちゃんだ。もし制服を着ていたら青春の１ページにでもなるけど……。
そういえば、高校生の時にこうして走ったなぁ。
どっちも部活生で一緒に帰ったりできなかったけど、テスト前の一週間とかだけは一緒に帰って、ファミレスとかお互いの家で勉強してた。普段は滅多に帰れないから、帰るときはテンションあがってふざけて、手繋いで走ってた。
ベッキョンと笑いながら風を切った、正真正銘の青春を思い出す。まさかあのときは結婚するとは思ってなかった。こんな俺様だなんてのも想像してなかったし。
「はぁ……なんか高校んときのこと思い出した」
マンションについて、エレベーターの前で息を整えていたらベッキョンが笑いながら呟いた。同じだ。同じこと思ったんだ。
「わかる、わたしも…」
「俺がモテまくったこと思い出した」
「……え、そっち？」
「いや、ビビる程モテてたじゃん？俺。え？どっちのこと？」
意地悪い顔して、はぁはぁと息を整える私の顔を覗き込んではニンマリ笑って鼻を摘まんできた。すぐに叩き落とすとゲラゲラ笑う。さっきまで不機嫌だったくせに。
エレベーターに入って階数ボタンを押し、壁に背をつけて寄りかかった。するとベッキョンが目の前に立ち、私の顔の横に肘をつく。
「しかもエレベーターん中でさ、こうしてキスしてなかった？」
言うや否や口を塞がれ『ん！』と抗議の声を出すと、笑顔で離れていく。
「やめんかい」
「昔みたいに黙って受け入れとけ」
「受け入れとけ…？今は大人なんだから場所考えて？監視カメラあるからここ」
「ふはは、別に誰も見てねーだろ」
「見てなくても！」
「あー。へいへいすみませんね、我慢できなくて」
確かにあの頃、思春期真っ只中でそういうことしたくてたまんなくて、家までのエレベーターの中でも我慢できなくていっぱいキスしてた。……ん？その時もベッキョン『我慢できない』って言ってた気がする。
変わんなきゃいけないところ、全部変わってない。
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こむ(プロフ) - ににさん» ににさま、コメントありがとうございます！大変遅くなってしまってすみません(T＿T)すほさんのお話気に入っていただけたようでとても嬉しいです！私も好きなのでつい書いてしまいました。笑 今のところ続きはご想像にお任せしておきますね……(#^.^#) (2019年5月8日 0時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
にに(プロフ) - スホさんのお話、大好きです。こういう闇的展開。悪魔だと思ってた人が天使で、その逆もしかり。続編があったらいいなと思います。 (2019年4月20日 11時) (レス) id: 4f645da4fc (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - きな子さん» うえ〜ん；；ずーっとお付き合いいただき、本当にありがとうございますー！！めちゃくちゃ嬉しい…こちらこそ感激です(*ToT)こんな出会いや人がいる世界に生きたいものですね。妄想の世界っていいなぁ(笑)これからもお付き合いのほど何卒よろしくお願いします*^^*！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 雲丹さん» 雲丹さんセフンペンさんなのですね！おめでとうございます(#^.^#)セフンペンさんに読んでいただけて嬉しいです〜；；でもベッキョン先輩と付き合いたい(笑)セフンちゃんと付き合ったってくださいヽ(´ｰ｀ )ﾉ！笑 こちらこそ、いつもありがとうございます雲丹さん！！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - マさん» コメントありがとうございます〜！幼馴染みセフンお読みいただけて嬉しいです；；そして相撲部屋のぶつかり稽古がツボにハマったようで……それを聞いて笑ってしまいました(^o^)笑 ベッキョン先輩の稽古は優しいんでしょうね^.^！お付き合いありがとうございました〜！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年4月7日 23時
