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「それで叩いたんだ」
あまりの近さに息も儘ならない私なんか少しも気にならないのか、先輩は普段よりも低い声で普通に喋り続ける。そうだ、ただの再現だから意識する私の方がやましいんだよ。
「Aは最後何て言われたんだっけ？」
「えっ……か…、かのじょ…やめ…いいよ…です」
もしかしてそれも再現して言うつもり？色々な意味で心臓が持たないし頭が壊れちゃうかもしれないからやめてほしい。今思い出しても死にそうだもん。あのときのセフンの声も顔も言葉も全部が硝子の破片になって、私の心に刺さって抜けない。泣きそうになると、先輩は微笑んで慰めるように私の目を優しく擦った。
「じゃあ俺の彼女になればいい」
先輩は私の目尻にささやかなキスを落として、ようやく私を抱く手を引っ込めベッドに寝かされた。先輩の熱がなくなりすっと体が寒くなって、でも顔は燃えるように熱い。先輩は隣に寝転び、曲げた腕を枕にして私を見つめる。
「忘れちゃえ」
「……」
「な。俺と付き合おうよ」
・・・
大学が終わったらバイトに行って、帰ったら寝て起きて大学行ってのループ。クソつまんない。あれだけAの顔を見ていた日々はもう遠い昔になり、ただの幼馴染で居たほうが良かったんだと毎日後悔した。
大学では一つだけ同じ授業を取っていたけど、Aはまったく出席していない。ぽつんと一人で座って受けるにはつまらなすぎる授業。俺があんなことを言わなければ、そう思っても取り消せない。今までたくさん我慢してきたんだから、まだまだ我慢できたはずなのに何であの時出来なかったんだろう。
『セフン今日バイト？』
「ううん」
『飯行こ』
「飲み？」
『ではない』
「……ヒョンのおごり？」
『分かってて聞く辺りお前らしくて安心する』
家でダラダラ海外ドラマを見ていたらチャニョリヒョンから飯の誘いが来た。全く行ってないサークルの先輩で、何故か気が合ってよく遊びに連れ出してもらう仲。外出に多少のめんどくささを感じながらもそう言えば昼から何も食べてないなと思い出して、部屋着にジャケットを羽織って家から出た。
待ち合わせ場所に向かうまでの道上にあるAのアパートを見ると、Aの部屋には明かりがついてなかった。バイトか、何処かに出掛けてるのかなって俺は呑気に考えていた。
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こむ(プロフ) - ににさん» ににさま、コメントありがとうございます！大変遅くなってしまってすみません(T＿T)すほさんのお話気に入っていただけたようでとても嬉しいです！私も好きなのでつい書いてしまいました。笑 今のところ続きはご想像にお任せしておきますね……(#^.^#) (2019年5月8日 0時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
にに(プロフ) - スホさんのお話、大好きです。こういう闇的展開。悪魔だと思ってた人が天使で、その逆もしかり。続編があったらいいなと思います。 (2019年4月20日 11時) (レス) id: 4f645da4fc (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - きな子さん» うえ〜ん；；ずーっとお付き合いいただき、本当にありがとうございますー！！めちゃくちゃ嬉しい…こちらこそ感激です(*ToT)こんな出会いや人がいる世界に生きたいものですね。妄想の世界っていいなぁ(笑)これからもお付き合いのほど何卒よろしくお願いします*^^*！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 雲丹さん» 雲丹さんセフンペンさんなのですね！おめでとうございます(#^.^#)セフンペンさんに読んでいただけて嬉しいです〜；；でもベッキョン先輩と付き合いたい(笑)セフンちゃんと付き合ったってくださいヽ(´ｰ｀ )ﾉ！笑 こちらこそ、いつもありがとうございます雲丹さん！！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - マさん» コメントありがとうございます〜！幼馴染みセフンお読みいただけて嬉しいです；；そして相撲部屋のぶつかり稽古がツボにハマったようで……それを聞いて笑ってしまいました(^o^)笑 ベッキョン先輩の稽古は優しいんでしょうね^.^！お付き合いありがとうございました〜！ (2019年4月19日 20時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2019年4月7日 23時
