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ぐっと引き寄せられ、頬にちゅっと音を立てるベッキョンの唇。さっきまでこれ以上のことをしてたのに、不意打ちのかわいいお別れにぽっと赤くなるほっぺた。それを見たベッキョンは、これまた一層かわいらしく微笑んで首をこてんと横に倒した。
「…俺には？」
「お嬢様いい加減にしてください。車を待たせています」
私が何か行動に移すより先に、セフンのイラついた声が飛び込んで来てハッとする。
「ごめんなさい、今いきます」
前までの私だったら、そんなのお構い無くベッキョンのほっぺに同じようにキスをしてると思う。だけど何故かセフンの言葉を優先してしまって、ベッキョンに笑いかけるだけで家を出てしまった。車を待たせてるなんて日常茶飯事のことで、特別焦る必要もないのに。
車の前まで来て、後ろを振り返ってアパートを見上げた。人影はどこにもない。するとセフンの手の甲が、ぐいっと何かを拭うように私の頬を擦った。それからまたぐいっ、ぐいっと何度も擦られた。
「………痛い…」
「……さっさと乗ってください」
私が乗り込むのを待っている開けっ放しのドア。中から運転手がこっちの様子を伺ってた。言われたまま乗り込むとすぐにドアが閉まったけど、バン！ってすごい勢いで。運転手が「失礼しました」ってセフンの代わりに謝ってくれた。
ベッキョンのアパートから私の家まで、遠いわけではないけど近くもない。やっと半分くらい来たところで、車は信号待ちで停車した。
「………で、何でそんな服を？」
窓から見えるコンビニの前で、カップラーメンを食べながら笑い合ってるカップルを羨ましく思ってじっと見つめていたら、今になってセフンがそう問い掛けてくる。そのタイミングで車は発進して、景色が流れ出す。
「……水浸しになってしまいまして」
「何をしてたら着替えるほど水浸しになるんですか？」
「食器を洗ったらなった」
「なりませんよ普通」
「……」
「食器もまともに洗えないんですか？」
セフンは呆れてどうしようもないらしい。鼻で笑ってる。ええ、おっしゃる通りです、食器もまともに洗えない女です。言い返す余地なんかなくて、Tシャツの襟元を引っ張りあげて口を隠した。
「……家帰ったら、洗い物の練習する」
「練習するものでもないですが」
小言ばっかり返してきてムカつくけど、本当その通りだとも思って自分が可笑しくて「ふふ」って笑っちゃったらセフンも同じように笑った。
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こむ(プロフ) - こたろさん» それでも世界で一番小さな戦争は起きるかもしれませんよ………（うまいこと言ったと思ってる顔）コメントありがとうございます〜(*^.^*) (2018年10月21日 23時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こたろ - 一妻多夫制にすれば全てが解決… (2018年10月16日 23時) (レス) id: 864f9ce26b (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - yさん» ゴール予想！！！(笑)鋭い推理にわたくし赤面しております…が、はいともいいえとも言わないでおきます(=∵=)お、怒らないで〜！！笑 セフンと（ベク）のお話です！！笑 yさまに愛想つかされないように頑張ります！！！（毎度熱いコメントくださるyさま好きすぎますw） (2018年10月14日 10時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
y(プロフ) - ゴール予想 主人公を考えると(本人はまだ気づいていないが)絶対セフンで小説展開的には絶対ベッキョン などという読ませない感じですね…なるほど……これって"セフンとの"お話ですよね？そうですよね？(疑問形での念押し)(圧)(私利私欲)(こむさん好きです！！！) (2018年10月7日 19時) (レス) id: 5337d93f99 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» え〜〜！？だれが！？わたしですか？！？！？！？！？！(笑) (2018年10月6日 13時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2018年9月4日 15時
