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ヨシくんが手を伸ばして掴み取り、癖のように電源ボタンを押してパッと明かりがつく画面。私からは遠くて見えないけど、二人はそれを見て顔をあげた。
「なぁ俺の携帯…あ、おい」
出ていったはずのベッキョンがちょっと焦り気味で戻ってきて、ポケットを叩きながら探し物をしている様子だった。ヨシくんが持ってる携帯を見て奪い取るようにしてそのままポケットにいれる。
ちらっと私を一瞬だけ見て『じゃあ急ぐわ』ってすぐに出ていった。せっかくというのはおかしいけど、戻ってきたから話しかけようと思ったのにまたタイミングを逃しちゃった。
「Aー…？」
「うん…」
「…どうかしたの？Aたち…けんかした？」
「……ううん、大丈夫」
「説得力がないよ〜その顔」
ほっぺたをつんつんと人差し指でつついてくるナミちゃん。ちょっとからかうような笑みで、しんみりならないようにしてくれる。派手な喧嘩をしたわけじゃないけど、明らかにいつもの私たちの空気感とは違う。
二人に心配させたくはないから笑ってみるけど、私はその場凌ぎの笑顔はそんなに上手ではないみたい。家の行事とかでは完璧なはずなのに気を許した友達の前ではヘタクソ。
「まぁ、そろそろ行くかぁ」
ヨシくんがリュックを背負いながら立ち上がるのを見て、私たちもそうだねって立ち上がる。そしたらヨシくんが『また忘れ物？』っていうから何だろうって思ってたら、肩をトントン叩かれた。
振り返ると出てったはずのベッキョンがいて、え？って思ったのと同じくらいに唇が一瞬だけ濡れたように冷たくなった。すぐ離れて間近で瞬く垂れ目を見てたらいつになく真面目な表情で口を開く。
「今度の食事会で言うから俺」
「Aちゃんと付き合ってますって言うから」
「絶対誰にも渡さない」
やっと何をされたか分かって、急激に熱が集まる顔を手で隠してうんうんと頷いた。最後にふわっと微笑んで今度こそ走って教室から出るベッキョン。
目を合わせてくれて微笑んでくれるだけでこんなにも心の底からほっとして、嬉しくて、やっぱり好きだって思って、じわっと涙が沸いて来て下を向いた。
こんなに人が多い教室の中でも思いの外私たちのことは誰も見てないらしくて自分の啜り泣く声と、ナミちゃんとヨシくんの驚く声意外には何も聞こえなかった。
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こむ(プロフ) - こたろさん» それでも世界で一番小さな戦争は起きるかもしれませんよ………（うまいこと言ったと思ってる顔）コメントありがとうございます〜(*^.^*) (2018年10月21日 23時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
こたろ - 一妻多夫制にすれば全てが解決… (2018年10月16日 23時) (レス) id: 864f9ce26b (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - yさん» ゴール予想！！！(笑)鋭い推理にわたくし赤面しております…が、はいともいいえとも言わないでおきます(=∵=)お、怒らないで〜！！笑 セフンと（ベク）のお話です！！笑 yさまに愛想つかされないように頑張ります！！！（毎度熱いコメントくださるyさま好きすぎますw） (2018年10月14日 10時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
y(プロフ) - ゴール予想 主人公を考えると(本人はまだ気づいていないが)絶対セフンで小説展開的には絶対ベッキョン などという読ませない感じですね…なるほど……これって"セフンとの"お話ですよね？そうですよね？(疑問形での念押し)(圧)(私利私欲)(こむさん好きです！！！) (2018年10月7日 19時) (レス) id: 5337d93f99 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» え〜〜！？だれが！？わたしですか？！？！？！？！？！(笑) (2018年10月6日 13時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2018年9月4日 15時
