エ イ ジ 系 彼 氏 の 日 常

# 電話で急に大声だす系彼氏 ページ7

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平日の午後9時すぎ。

今日はいつもより仕事が多くて、遅くなってしまった。







携帯を見ると、えいちゃんから

『終わったら連絡して』ってメールがきてて、

『いま終わったよ』って返したら







「…もしもし？」


「あー俺だけどさ、」







なんかオレオレ詐欺みたいな電話がかかってきた。







「Aいま何処いるか言ってくんない？」


「今？」


「うん。さもなくば、りっくんグルグル巻きにするから」







酷い電話だ。








遠くの方では被害者りっくんの

なんで僕なの、って声が聞こえる。







「それは可哀想だから言うわ」


「うん。言って」


「えっとね、まだ会社からすぐ出たとこ」


「…ふーん」








聞いてきた割には興味無さそうな反応をするえいちゃん。

今度は急に、







「じゃあさ、これなんの電話でしょうかクイズしよ。」








って、謎のクイズが始まった。







「え、なんの電話だろ。今んとこイタズラ電話としか思えないけど」


「あー惜しいわ」


「惜しいんだ」







趣旨も内容も意味わかんなくて笑っていると、

シンキングタイム終了〜って大声で言ってきて(絶対わざと)

思わず受話器から耳を離す。







「正解は、俺が迎えに行ってやるよ電話でしたぁ。いぇーい」


「え、ほんとに？」







にわかに信じ難い正解すぎて







「……嬉しいけどなんで？」






思わず聞き返してみると、







「鬼レベルで暇だからに決まってんじゃん」







って、鬼レベルで嘘な答えが返ってくる。

その証拠に、みんなの笑い声がすごい聞こえた。




 


「暇じゃないんでしょ？いいよいいよ 笑」







って言っても、行くからってしつこい。

きっといつもより夜遅いから心配してくれてるんだろう。






「じゃあ、会社に戻って待機ね。分かった？」







結局、電話は強引に切られて

しばらくしたらちゃんと

会社の前に黒い車が止まるのであった。







「えいちゃんってほんと優しいよね」


「なにそれ、喧嘩売ってる？」








車の中なのに、それでも赤髪が目立ってる。

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