【銀魂】空から女の子が降ってきました。21

第八百四十七訓 ページ41

まあそんなこんなで神楽ちゃんの案も銀時くんの案も採用される訳がなく。


普通に上から縄を垂らしてくくりつけ、順番に上へと昇ってゆくことになった。まあ仕方ないと言えば仕方ない。






(……烏が煩いな)






そして先程からカァカァカァ、と崖を登る私達の周りを飛ぶ大量の烏。鳴き声な煩くて適わない。烏との追突は免れたいんだけど。






『っは……それにしてもこの断崖絶壁めんどくさいね……怠くて仕方ないな。私腕力ない方だしさぁ…』






因みにただいま私は中腹を超えたので縄でなく自分の力で崖を昇ってる所です。明日筋肉痛になりそうで嫌だよねこれ。






銀時「俺が優しく抱えて登ってやろうか？」



『遠慮するよ。抱えるという行為にかこつけて色々とセクハラされそうだ』



銀時「はぁ？？しねーよラッキースケベは狙ってるけど」



『ラッキースケベは狙ってる時点でラッキースケベって言わないんだよ』






はぁ……この後崖を登りきったら黒縄島の見張りの役人共を蹴散らして近藤さん達と合流だな。それさえ出来ればあとはここからおさらばするだけだから……

だが恐らく見廻組を筆頭に先程襲撃された奈落の干渉も視野に入れないと行けない。邪魔される可能性が高いな。






『……。』






今の所は順調に進んでる。だがどうしても不安要素があるのだ。どんなに小さな穴でも警戒しておかないとそれは大きなヒビとなる。油断はいけない。






(…………朧)






＿＿＿私の憎むべき、烏。奈落が干渉してきた以上アイツだってここにいる筈。

アイツを討つのは因縁がある銀時君や高杉に譲ってもいいが…死に様くらいは見てやりたいものだ。






(そしてアイツが居るのならこの計画だって御破算になる可能性がある…侮れない相手ってのは本当に厄介だ)






下では真選組が問題なく登ってきている。このまま問題なく上に＿＿＿＿＿＿











.














『っ、』













不意に、目指すべき崖上に……ふっと影がさした。



どっっっっっ、と嫌な予感が体中を襲う。見開いた目の皮膚の張る感じを厭に敏感に感じた。つぅ、と冷や汗が体を伝って。



待て、上に……何だ、誰だ、あれ。







『ぁ、』







そうして見開いた私の目に映ったのは＿＿噂をすれば何とやら、とでも言うのだろうか。会いたいようで会いたくなかった相手。










『＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿おぼ、ろ』










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