【銀魂】空から女の子が降ってきました。21

第八百九訓 ページ3

そうしてただただボーッと窓の外を見ていれば、




人気のない街の中、私達が乗るパトカーの横を横切る車がひとつ。それは見覚えのある警察車だった。










『……は?』












だけど私がいちばん驚いたのは、そんなことじゃない。問題なのはその車の中に一瞬＿＿＿＿＿＿




悲しそうに微笑む、近藤さんが見えた。




見間違いかもしれない、というか見間違いであって欲しい。けど今のは完全に＿＿＿＿＿＿






『っ、トシ！！総悟！！今のっ、』



土方「っ……近藤さ…」



沖田「これって…今の、屯所の方から来やしたよね…？」






ドッッッ、と冷や汗が体中を襲う。怖い。最悪の想像をしてしまう。喜々が動き始めた、将ちゃんに続き私たちを消そうと動き始めた。


そして真選組は一組織。邪魔な事には変わりないはず……だから天導衆合意の元、動き出したのだ。きっとそうだ。






土方「……取り敢えず屯所の方行くぞ。見間違い、かも……しんねぇ」






体が震える。見間違いであってほしいけど見間違いな訳ないんだ。このタイミング、この感じ、絶対近藤さんだ。

それよりあの警察車は何だったんだろうか、あの車、あの黒い車はどこかで見た。





(＿＿＿＿＿＿嗚呼……そうだ。)













見廻組だ。














『っ……ぁ、あ…、』







やだ、やだ。やだやだやだやだやだやだ、誰か助けて欲しい、この不快感から。怖い、怖いよ、ねぇなんで？なんで私たちばっか、将ちゃんばっか、






『っは、はぁ……っ、はー……っ！！』



沖田「っ？A…？A！！」







呼吸がおかしい。耳鳴りがする。目の奥がつきんつきんと痛んで体の左半身が痺れてる。怖い、痛い痛い痛い、全身が痛い、全部痛い、







沖田「っA、息してくだせぇ！ゆっくり息吸って、吐いて……っくそ、聞こえてねえか…！」







呼吸ができない、息が詰まる、吸ってるはずなのに酸素が体に入ってこない。頭がぼうっとして嘔吐感が襲ってくるのにそれだけで口からは何も出ない。



怖いよ、怖い。怖いよ、真選組無くなるの？？私が見つけた居場所、仲間、愛しいもの。全部全部全部。













＿＿＿＿＿＿＿＿＿「A！！！！」













『っ、ぁ……、！』






どんっ、！！！と来る衝撃。目の前には総悟の顔……じゃなくて、総悟の胸板だった。



彼が……勢いよく抱き締めて止めてくれたのだ。










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