【銀魂】空から女の子が降ってきました。21

第八百八訓 ページ2

ゴォォ、と静かに人っ子一人居ない江戸の道を走るパトカー。





その中では暗い雰囲気が漂っており、私は後部座席に座って外の景色をぼーっと見ていた。


運転席にはトシ、助手席には総悟が座ってるが二人とも大体同じ感じ。急な事に体がついて行ってない。





(いや、私よりは適応してる……か。トシは気遣う様な素振り見せてくるし…総悟も無表情だけどどこか理解している感じではあるし)






……けどフラッシュバックしてしまう。将ちゃんの隣で戦って、別れて、死んだと言われた時の事。



そして、さっきまで参加していた葬式の事。まあ参加していたというか……国葬の警備についていたのだけど。



泣くだけ泣いて気は済んだし、これ以上泣いたら周りに迷惑がかかる。それに将ちゃんもいつまでも私がウジウジしている事は望んでない気がする。






(だからずっと泣いてるつもりはない…)






＿＿＿＿＿＿だが、


この埋まらない喪失感はどうすればいい？
真選組と会ってすっかり忘れてしまったこの喪失感と孤独感は昔はどう紛らわしてたっけ？






(＿＿＿ああそうだ、自 殺してた。自分の首を絞めて冷静になってた。あの頃の私はとち狂ってたな……でも今は別にもう乗り越えたし)






でも自 殺さえ無くなった私は、どう乗り越えればいいのだろう。手元に残ったものは、仲間しかない。そしてその仲間の立場すら危うい。



私に何が出来るだろうか。力はあれど権力はない、天導衆はおろか喜々にだって歯向かえない。



弑逆してしまうのは簡単だ。でもそうしたら真選組は反逆罪で罰されてしまうし＿＿＿＿＿＿どうすればいい。どうすれば。










＿＿＿＿＿＿「おい、A」











『っ！？は、はい……？』






と思えば、急に運転していたトシに声をかけられた。それにびくりと思わず肩が揺れる。






土方「……溜め込んであれやこれや考えんのはお前の悪いクセだぞ」



『っ、え、』



沖田「葬式の時泣くまいとしてたしどうせある事ない事考えてたんでしょうが…体に毒ですぜ、そういう思考回路」



『っ……うん』






……思わず、泣きたくなった。人に優しくされると泣きたくなるってほんとだったんだな。涙腺緩んできたわ。


嗚呼、護りたい。この仲間を。私に居場所をくれた、私を想ってくれる大切な愛しい愛しいこの仲間達を。護りたい。例え命を懸けても。










＿＿＿＿けど、現実はそう甘くないって…知ってる。












ー

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