高い彼と低い私

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「はい、どうぞ」



そう言って席に案内した




あむぎり「さっきので確信したんだけど、藤吉さんだよね？」



ケアを始めてあつきくんが口を開いた



「うん、親が離婚して今は篠原なんだけどね」

あむぎり「ぁ…ごめん」

「ううん」

あむぎり「…やまとは？」

「…」




同級生なら誰でも知っているだろう

地味で、根暗で、友達もあまりいないような私が、

あの鈴木大飛くんに告白したんだから


正確には、私が告白したわけじゃない


誰かが勝手に私の名前で大飛くんにラブレターを出したのだ


あれよあれよと噂は広まり、最終的に私は学校に通わなくなった




「気づいてないと思うよ、初めましてって言われたし」




同じ中学の人が誰もいない高校に通い、オシャレとか、メイクとか頑張った私は結構垢抜けた方だとは思う



あつきくんに気づかれたのをビックリしたくらいだ



あむぎり「そっか…」

「だから、誰にも言わないでね？」




そう言うと『うん』と頷いてくれた




あむぎり「藤よ…篠原さん、なんか変わったね」

「そう？」

あむぎり「可愛くなった」

「…あつきくんってそんなこと言うタイプだったっけ？」

あむぎり「いや、言わないね、だから本心だよ？」

「まぁ…頑張ったしね…」

あむぎり「そっか…」

「あつきくんたちYouTubeやってるんだってね？」

あむぎり「うん」

「結構人気なの？」

あむぎり「うーん、まぁ、この前200万人行ったしね」

「へー、すごい」

あむぎり「これからもっと上に行きたいなって感じ」

「そうなんだ」



コムドットって言ってたな…

何人でやってるんだろう…

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