15（ひゅうがside） ページ16
Aと出会ったのは、小学2年生の頃
親の仕事の関係で引っ越して来た隣の家にAが住んでいた
ひゅう母「隣に引っ越してきた渡辺です」
A母「相澤です、ほら、挨拶して」
「相澤Aです」
ひゅう母「あら、こんにちは」
「こんにちは」
ひゅう母「うちの子と仲良くしてあげて、ほら、ひゅうが」
ひゅうが「渡辺彪雅です」
「相澤Aです」
その時の笑顔に、俺は簡単に恋をした
お隣さんということもあり、仲良くなるのに時間はかからなかった
兄妹みたいな関係になって、共に小学校生活を過ごした
そして、中学に入学する前、
ひゅうが「ぇ、引っ越し？」
ひゅう母「うん、みんなと同じ中学には行けないの」
ひゅうが「…」
ひゅう母「でもね、そんなに遠い場所じゃないから、友達とも会えるよ」
ひゅうが「…」
でも、Aと、今まで通りは会えなくなる…
「ひゅうが、私…」
帰り道、Aが何かを言いかけたのを遮った
ひゅうが「俺さ、引っ越すことになった」
「ぇ…」
ひゅうが「みんなと同じ中学行けないんだって」
「ひゅうが」
ひゅうが「ん？」
「私も」
ひゅうが「え？」
私も…？
「私も、引っ越すの」
ひゅうが「……そっか」
Aも引っ越すなら、本当に会えなくなる…
「でもね、そんなに遠くないって言われて、」
ひゅうが「どこの中学校？」
「西東京…」
ひゅうが「え？」
「…？」
ひゅうが「俺も、西東京」
「え、」
ひゅうが「ぇ、行く中学校って…」
言った中学校の名前が被った
ひゅうが「はぁ？」
「なんだぁ〜」
ひゅうが「なんだよ」
Aと2人で吹き出して笑った
なにも心配する必要なんてなかった
ひゅう母「ひゅうが〜」
A母「A〜」
「お母さん！」
ひゅう母「聞いて聞いて、ひゅうが」
ひゅうが「ん？」
A母「Aも」
「…？」
ひゅう母「引っ越し先ね、またAちゃんのお隣さんだったの」
ひゅうが「はぁ？」
「え？」
Aと顔を見合わせた
ひゅうが「今までとなんも変わんないじゃん」
「よかったぁ〜」
ひゅう母「これからも仲良くしてね」
「うん！」
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作者名：明希
| 作成日時：2023年9月12日 22時
