愛されYouTuberの日常８

.（撮影後）（あむぎりside） ページ42

あむぎり「Aちゃん」

「ん？」




カメラを止めてから『はい』と小さな箱を差し出した




あむぎり「ホワイトデー」

「えー、さっき貰ったのに」

あむぎり「さっきのは生チョコとクマさんクッキーのお返し。これはフォンダンショコラのお返し」

「ありがとう、開けていい？」

あむぎり「うん」




箱を開けて『おー』と呟いた




「イヤリング」

あむぎり「うん。お揃いとかじゃないから、普通につけてほしい」

「え、まさかタグ付け来た？」

あむぎり「タグ付け？」

「ゃ、なんでもない」

あむぎり「…？」

「でも、クリスマスのネックレスといい、イヤリングといい、さては貢ぎグセがあるな？」

あむぎり「特別な日だからいいの」




少し不貞腐れて言うと『ふふっ…』と笑ってもう一度『ありがとう』と言った




「はい」




Aちゃんが俺の手に箱を戻した




あむぎり「…？」

「つけて？」

あむぎり「…」




イヤリングを手に取って、Aちゃんの耳に触れた


こういうの、慣れてないんだよな…




「ふふっ…」

あむぎり「笑うとつけれない」

「笑うからじゃなくて、あっちゃんが震えてるからでしょ」

あむぎり「もう、目瞑ってて！」

「はーい」




目を瞑ったAちゃんの左耳にイヤリングをつけた


目を瞑ったAちゃんは、普通に可愛い

だって、普通にキス待ち顔だし…




あむぎり「…」




右耳にもイヤリングをつけた




あむぎり「はい、つけたよ」




目を開けたAちゃんは、少しキョトンとしてる




「キス、しないの？」

あむぎり「…」




俺ばっかりが、ドキドキしてるみたい…




あむぎり「してほしいの？」




なんて、Aちゃんは『ううん』と言って揶揄うだろうけど…




「うん」

あむぎり「え？」

「目瞑っててって、そういうことだと思ったのに」

あむぎり「あれは……見られてると緊張するから……」

「で、するの？しないの？」

あむぎり「……する」




そう言ってAちゃんの頬に触れて、キスをした




「…」




唇が離れるとAちゃんは、ふにゃっと笑った




あむぎり「普段そんな素直に言わないのに……、さては、素直なフリして俺のこと誘惑してるでしょ」

「特別な日だからいーの」

あむぎり「パクらないで」

「先にパクったのあっちゃんだし」




子どものような言い合いをして、2人してふっと笑った

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