愛されYouTuberの日常８

ファンミIn福岡（ナベside） ページ27

(2023.3.12)




ファンミ終わり、スタッフさんへ挨拶を終えてAさんの楽屋へ戻ろうとした時、声をかけられた



マネ「はい」

スタッフ「瀬戸さんに会いたいって言う方が…」

マネ「…？」



会いたい…？

ただのファンだとしたら非常識だけど…



スタッフ「『“ヒラカワシュン”の母ですって言ったら分かると思います』と仰ってるんですけど…」

マネ「…」



ヒラカワシュン…

って、俊くん…？



スタッフ「どうしましょうか…」

マネ「対応します、ありがとうございます」



スタッフさんに案内してもらい、その女性の元へ向かった



マネ「瀬戸Aのマネージャーの田辺です」

俊母「平川俊の母です」



そう言って彼女は頭を下げた



マネ「こちらへ」



彼女と共にAさんの楽屋へと向かった

部屋をノックし、中に入った



「ナベちゃん遅いよー、早くご飯食べに…」



ソファでゴロゴロしていたAさんは、俺の後ろの彼女を見た瞬間、立ち上がった



「……ご無沙汰してます」

マネ「俺、席外した方が良い？」

「ぁ…」

俊母「いえ、構いません」



彼女をソファに案内して、俺は部屋の隅のイスに座った



俊母「ごめんなさいね、急に」

「いえ」

俊母「本当は来るべきじゃないと思ったんだけど、どうしても見せてあげたくてね…」



彼女の手には1枚の写真が握られている

おそらく、俊くんの写真だろう…



俊母「Aちゃんのこと、娘みたいに思ってたから、最近幸せそうですごく嬉しくて」

「ありがとうございます」

俊母「……どこか、俊のことが重荷になってるんじゃないかって思ってたの」

「…」

俊母「だから、恋人が出来たって聞いて、良かったって安心して」

「…」

俊母「だから、本当は会わずに帰ろうと思ったんだけど」

「……お母さんは、すごく良くしてくださって」

俊母「…」

「本当のお母さんみたいで」

俊母「ありがとう」



きっと、俊くんとは別に、俊くんのお母さんとも仲が良かったんだろう…



「……俊くんのこと、重荷に感じたことなんてありません」

俊母「…」

「俊くんは私にとって、大事な人です。それは、これからも変わりません」

俊母「…」

「YouTuberとしての夢の話も、変わりません。ずっと、その夢に向かってYouTubeを続けてます。終わりがない夢なんです」

俊母「……俊は、幸せ者ね」



そう言って彼女は微笑んだ



俊母「本当、俊の彼女がAちゃんで良かった」

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