愛されYouTuberの日常４

.（虫眼鏡side） ページ35

店に着いて注文を終え、水を飲んでると正面から視線が送られてきた




虫眼鏡「なに？」

「聞かないんですか？」

虫眼鏡「聞いてほしいの？」

「…」

虫眼鏡「人間さ、誰だって話したくないことの1つや2つあるって」

「…」

虫眼鏡「頭の中のモヤモヤは、食べて忘れるのが1番」

「……ありがとう、虫さん」




『お待たせしましたー！』と注文したラーメンが届いた




「「いただきます」」




一口食べて顔を上げるとさっきまでの顔とは打って変わって、幸せそうな顔をしてるA

こっちまで笑顔になって、そのまま何も話さずに食べ終わった




「美味しかった…」

虫眼鏡「スッキリした？」

「うん、ありがとう」







涙の理由を知ったのは、それから数ヶ月後のこと


結構仲良くなった時に、Aがポツリと話し始めた




虫眼鏡「そっか」

「…」

虫眼鏡「そんなに想われてるなんて、しゅんくんは幸せ者だね」

「……ありがとう、ざわくん」








それからなかなか会えなくなったのは、某感染症の拡大により、緊急事態宣言が出されたから


連絡は取るけど、全く会えない日が続いた


直接彼女に発作のことを聞けば、はぐらかされるのは目に見えていた


だから、周りの人に聞くしかなかった




虫眼鏡「最近、Aどうなんですか？」

ユキ『うーん、発作は相変わらずって感じかな。ナベが上手くやってるみたいだけど』

虫眼鏡「そうですか」




この人は器が広いな

旦那さんが他の女を抱きしめることを許すなんて




ユキ『なんか変なこと考えたでしょ？』

虫眼鏡「考えてないですよ」




ナベさんがいるなら、発作が起きても大丈夫だろう

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