7（ひゅうがside） ページ46
「……ひゅーちゃん」
ひゅうが「…」
Aに手を引かれて足を止めた
「ひゅーちゃん、約束、覚えてる？」
ひゅうが「……うん」
『好きな人ができたら、私のこと、めちゃくちゃに傷つけてから振ってね？』
Aはめちゃくちゃに傷つけられて振られるのを望んでる…
でも、俺は…
ひゅうが「好きだよ」
「…」
ひゅうが「俺は、Aが好きだよ」
「…」
Aの頬に触れた
「……うそ」
ひゅうが「嘘なんかつかない」
「…」
ひゅうが「ありのままの私を全部受け止めてくれる、Aが好き」
「……だって、ひゅーちゃんは…」
ひゅうが「確かに、私は元々ゲイで」
「…」
ひゅうが「でもね、今1番失いたくないのは、A」
「…」
ひゅうが「男だとか、女だとか、関係ない」
「…」
ひゅうが「失いたくない、1番大切にしたいのは、A」
「…」
ひゅうが「Aが好き」
そう言って抱きしめた
「……ひゅーちゃん」
ひゅうが「…」
Aの手が控えめに服を握った
「本当に…いいの？」
ひゅうが「うん」
「ゆうたさんのこと、好きじゃない？」
ひゅうが「あの日フラれた時から、もう吹っ切れてるわ」
「…」
ひゅうが「普通に話しかけられてビックリしたくらいよ」
「…」
ひゅうが「Aに避けられたのが1番辛かった」
「…」
ギュゥと抱きしめる力を強める
「ひゅーちゃん…いたい…」
ひゅうが「大好き」
「…」
ひゅうが「Aは？」
「…」
ひゅうが「あの、彼のこと、好きなの？」
「ぇ、」
ひゅうが「さっき、『大好き』って言ってた」
「あれはっ…」
とパッと顔を上げた
ひゅうが「…？」
「……ひゅーちゃんが、ゆうたさんのこと好きなら、別れなきゃって、思って…」
ひゅうが「…」
「そしたら、そんなに苦しむくらい、ひゅーちゃんのこと大好きなんだねって言われて…」
ひゅうが「…」
「うん、大好きって…」
ひゅうが「……なんだぁ」
そう言ってしゃがみ込んだ
「ひゅーちゃん？」
ひゅうが「Aがもうあの彼のことが好きなんだって思った…」
「…」
ひゅうが「なんか、宣戦布告みたいなことされたし…」
「ひゅーちゃん…」
ひゅうが「ん？」
「私…」
Aが口を開いた瞬間『ひゅうが』と声が聞こえた
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作者名：明希
| 作成日時：2022年3月20日 18時
