4（ひゅうがside） ページ39
ひゅうが「……いや、どういう状況？」
撮影が終わって寝室を覗き込もうとドアを開いた瞬間、
腕を引かれ、中に入ったと思えばドアを閉められ、
現在、Aに壁ドンされてる
「ということで、キスしてください」
ひゅうが「いや、どういうわけで？」
「一歩、前に進んでみました」
ひゅうが「……素晴らしい努力で」
「流石に、それ以上は、まだ無理なので」
ひゅうが「そうでしょうね」
Aの頬に手を寄せた
ひゅうが「していいの？」
「はい、覚悟は出来てます」
ひゅうが「そこまで覚悟することではないと思うけど…」
「お願いします」
Aの腕を引いて回転し、今度は俺が壁ドンした
「おぉ、これが壁ドン…」
ひゅうが「いや、ムード」
「ドキドキするタイプの壁ドンは初めて受けた」
ひゅうが「コメントし辛いわ」
Aに顔を近づけた
ひゅうが「本当にするよ？」
「うん」
そう言って目を瞑った、けど…
ひゅうが「…」
眉間に皺寄ってるし、微かに震えてる…
おでこにキスすると、目を開いたAが俺を見上げた
『ひゅうが』と開きかけた唇に自分の唇を押し当てた
ほんの一瞬だけ
「…」
ひゅうが「はい、した」
「…ぇ、」
また開きかけた唇に、今度は1秒くらい自分の唇を押し当てた
「…」
固まってるAにもう一度唇を押し当てる
ひゅうが「すごいじゃん、3回も出来た」
「…」
Aの顔が赤い
「……なんか、頭パンクしそう」
そう言ってポスっと俺の腕の中に倒れてきた
ひゅうが「なにそれ、可愛いんだけど」
「可愛くない」
ひゅうが「俺以外の前では、口の悪い・男嫌いのAでいなきゃダメだよ？」
「意識しなくても、そうなる」
ひゅうが「スカイピースの2人の前でもだよ？」
「……善処する」
Aの顎に手をやって上を向かせてもう一度唇を押し当てた
ようやく、一歩前に進めた
もう一歩は…
まだまだ先になるだろうな…
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作者名：明希
| 作成日時：2022年3月20日 18時
