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命がけの復活 4 ページ9

Y side



「がんばって」と園子と蘭から言われて、何がと問う間もなく3人は帰っていってしまった

…コナンくんばいばい言ってくれなかったなぁ

新一が来てから、素っ気ないコナンくんが気になりつつ、ずっと掴まれてる右腕にも神経を尖らせていた

声を掛けてもドアの方をじーっと睨むだけで、腕を離してくれる様子はない。


「…新一!どうしたの?」

「あ…っ、わりぃちょっと実感がなくて…」

「うんーまあ、久しぶりだもんね」

「おう…」


どこか元気のない彼が不思議で顔を覗かせる
手もいつの間にか離してくれていた


「本当にキッドじゃないの?」

「おめェまだ言うかよ」

「…だって、飛行船でキッド新一に化けてたの。そっくりだったから」

「あー、コナンから聞いた。…騙される方がわりぃだろソレは」

「なっ!…違うもん、幼馴染みの蘭でさえ騙されてたんだよ?」

「へーへー」


よくする呆れた顔をしながら、ベッドから起き上がると今まで見下ろしていたはずの顔が一気に上を向かないといけなくなって、ちょっとドキドキする

…そういえばさっき、一緒に踊ったんだ

上を向けば目の先に新一の顎があったんだ…
仮面で見えなかったけど。


あの子が言ってたのは、相手が新一だから忘れられない舞踏会になるってこと?


「行くぞ。早く着替えねェと時間なくなる」

「え?」


靴も履いて、いつの間に私より前にいる新一が振り向いてそう言った。

わたしは蘭達と回る予定だし、新一は友達に会いたいだろうし…

「なんだよ。誰かとまわんのか?」

「蘭たちと…」

「…もういねェけど。」

「追いかければ…」

「ドレスで?」

「着替えて…」

「アイツらコナンと一緒に帰ってんじゃねェの?」

「え?!」

「…坊主が帰りたがってたし、事件のことがあれば先生も帰らせてくれると思うぜ」

「…ああ」


多分、ここで、誘わないといけないんだ。一緒に回ろうって。でも、友達と会うから無理って言われたらどうしよう。でもでもそれならもうとっくに行っちゃってるだろうし。

2人の間で沈黙が流れて、また気まづい空気が流れる

新一は頭をくしゃくしゃにして悩んでるみたい。

…これって、もしかしてうちが誘っていいやつかな?


頭の中で悩んでいると新一の「あのさ」という声で沈黙は終わった。


「はいっ」

「あー…蘭達いねェなら、オレと回るか?」

「…あー」

いたら、回ってくれなかったんだ…

「嘘ついた。オレがAと一緒に周りたい」

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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月19日 17時

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