命がけの復活 3 ページ8
Y side
「あ、コナンくん新一は大丈夫?」
「…うん 少し寝てれば起きると思うよ」
「よかったぁ」
蘭がコナンくんに問いかけると私から彼女に目線を変えた。みんなが新一のベッドの周りに立って眠っている新一を見てる
やっぱり雰囲気が違うコナンくんに疑問を抱いて、彼の隣へと腰を下ろすとA姉ちゃんは新一兄ちゃんのこと見ててと腕を引っ張られた
よろけながらも、新一のそばに立って彼の様子を伺う
息は荒くなくなったし、ただただ規則正しい息をして眠っているような気もする
急に保健室の外が煩くなって、平次くんがやってきたんだと直感した。案の定彼は騒ぎながら保健室に入ってきて和葉ちゃんに怒られている
「…っ」
「ぁ…!」
その声で起きたのか。新一が微妙に声を漏らせて居心地悪そうに眉間にシワを寄せたかと思えば、ゆっくりと彼のまぶたが開いていき、ボーッとしながら私たちを見渡した
「新一…」
思わず名前を呼んで、こっちを向いたかと思えばキョトンとした顔で「…へ」と声を漏らした
その瞬間、みんなに安堵のため息が溢れた
「よかったぁ…記憶とかなくなっちゃうのかと思った」
「あ、あれ?…オレ、」
「新一推理終わった後に倒れちゃって平次くんが運んでくれたの」
「体が…」
「キツい?」
「…いや、普通」
まだ周りを信じられないような目で見渡して、自分の体を確認している新一。平次くんが何か耳打ちをしてようやく安心したような顔を見せてくれた
「わりぃな!みんな心配かけちまったみてーでよ」
笑顔を見せてもう大丈夫だと立ち上がった。
「本当に大丈夫?」
「おう!…あ、それより文化祭ってもう終わりか?」
「ううん、体育館だけ使用禁止だけどそれ以外はみんな事件のこと知らないみたいでまだやってるよ」
「え、なに新一もしかして今から回ろうとしてる?」
「なんだよ…せっかく戻ってきたのにいけねーのか?」
「いや、そんなことないけど…」
蘭が心配してそう言うけどふてくされたように、言い返す新一にみんな何も返せなかった。
まあ、本当に久々に帰ってきたもんね。知り合い達と会いたいだろうし
可笑しくなった空気に、和葉ちゃんが平次くんを引っ張りながら帰ってしまって、保健室に5人だけになった。
コナンくんも帰るって聞かなくて、蘭と園子がついていこうとするからわたしも行こうとしたけど、新一に腕を掴まれてそれはできなかった。
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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月19日 17時