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命がけの復活 ページ6

Y side




…キッドじゃん


黒衣の騎士の仮面の下には新一の姿。

周りの生徒が騒がしくなり始めて、女の子はキャーキャー叫ぶし、ついには工藤コールまで始まってしまった

みんなぁー、あれキッドだよ

コナンくんをまた探そうと周り見渡すと騒ぎに紛れて前に出てきていたのか、彼はすぐに見つかった

でも目の前に自分がいるのに驚いた顔ひとつしないでジーッと黒衣の騎士を纏った新一を見ている

知ってたのかな?

もう騙されないんだからね。まだそんなに飛行船の時から日にちが経ってないし、同じ手でわたしが騙せるとでも?


そう簡単に騙されないもん




「シッ!静かに

祭りの続きはこの血塗られた幕を下ろした後で…」


「…さむ」



騒いでるみんなを静かにさせた彼の言い回しに思わず身震いを立たせると、こっちに気付いた彼が近寄ってきた



「まだ寒いのか?肩にマント掛けただろ」

「そういうことじゃないんだけど…」

「んじゃあ、なんだってんだよ」

「気付いてるからね?わたし」

「気付いてるって?」

ちょいちょいと彼の耳に口を寄せた

「キッドなんでしょ?」

「…はぁー?バーローまだ寝ぼけてんのか?」

「ねぼ、…前科ある癖に!」

「とにかくまだ寒いならもう着替えろ、あと、後で大事な話があるから、逃げんじゃねーぞ?」

「…大事な話って?」

「あとでっつってんだろバーロー」

「バーローおばけ」

「ああ?」

急に仮面を持ってない手で頬を抓られて痛がってると申し訳なさそうに平次くんが話しかけてきた

「お、おーい、くどぉーう…」


「あ、わりぃ…そだ。服部お前10円玉持ってるか?」


新一が離れて、抓られていた頬を摩ってると、手を引っ張られて仮面を強引的に持たされた


いたい。

こんなことするの新一だけだ…


「…キッドの方が優しかった」


そう呟いたら聞こえたのか一瞬睨まれちゃった


でもキッドは頬なんて抓らなかったし、怒んなかったもんずっと優しかったもん

……わー。それだ。キッドと新一の決定的な違い

今度またキッドが新一に化けたらこれで見分けよ


推理を始めた彼から遠のき、珍しく静かなコナンくんに近づいた。


「ねえコナンくん」

「…なーに?」

「コナンくんは、コナンくんなんだよね…?」

「…難しいことはわかんないけどボクはボクだよ」

「…そっか、そうだよね」



ワンテンポ遅い会話に、違和感を持ちながら、自分の勘違いだったのかと新一を見守った。



命がけの復活 2→←伝説に近い存在



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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月19日 17時

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