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与えられた3分 3 ページ28

Y side




「…え?いいの?」



『どうせ時間がくればお陀仏だ。安心しろ。Aが切り終わるまでここにいる』



「しんじゃうかもしれないよ」


『なんだァ?急に弱気か?さっきどっちも切っちゃう?なんて言ってたのに。』


「…だって、」



急に生死を任せられると、弱気になってしまう。


赤と青のコード



こういう時って何色切ればいいのかな?




「し、しんいち…何色好き?」


『そうだな…赤、かな』


「んふふ、だよね…わたしも赤が好き」


『決めたのか?』


「…うん」





こんな、軽い気持ちで決めちゃダメだと思うけど


わたしはプロじゃないし、キレる頭もない。




陣平さんがいるわけでもない。




「……」



こんな時でも彼を思い出してしまうのは罪だろうか




同じシに方でも、多くの人を守った陣平さんと多くの人を道連れにしてしまうわたしじゃ、全然ちがうな





ハサミを持ち直して、決めた色のコードへ通した





「切るね」



『ああ』





これが最後の言葉かも知れない。


最後にあったの、文化祭以来だな…




次は、どこで会えるのかな







…________ゴゴッ




「あ、っ!…ちょ、」



急にくづれ落ちる天上


爆弾を持って間一髪のところで、逃げたけど、バッグはもちろん、スマホまで瓦礫に埋もれてしまった。





再度深呼吸をしてコードと向き合う



片方のコードにハサミを通して、切った。





パチッ





…________





 

 



「あ、れ…」




なにも、おこらない





 
 
 
「タイマーも、止まった……はぁ、」



00:05と表示され、止まっているタイマー




タイマーが止まったことに喜ぶ映画館に来ていた人たち

恋人たちは抱き合い、サラリーマンはジャンプをしていた。




よかった、



安心して溢れた一筋の涙



わたしも、今の瞬間、陣平さんみたいに多くの人を救う立場になれたのかな














しばらくして、助けに来てくれた救助隊のおかげでデパートから出ることが出来、心配してやってきてくれた園子と蘭にいたいくらいに抱きしめられた。



「い、いたいよ…」


「もう!心配させないでよ!」


「可愛い顔が泥だらけじゃない!」


「でも頑張ったよ…?」


「「…もお!」」



また抱きしめられた。




ふたりに新一を見てないかと聞くと、見てないと言われ、探してくるねとふたりから離れた。



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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月19日 17時

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