【名探偵コナン】拗らせた名探偵 3 (ページ27)

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与えられた３分　2 ページ27

C side

「フタ、外すね」

『ああ』

落ち着き始めたAが蓋を外して、深い息を吐いた。

焦っちゃダメだと、本物は解体したことないと言ったAが頭に残って、以前彼女の想い人だった松田さんが頭にチラついた。

元爆弾処理班の一員だった彼は、Aに偽物の爆弾でも解体させてたのだろうか。

生と死が紙一重だっていうのに彼の存在がチラついて、落ち着きがなくなる。

爆発まで残り１７分。

森谷帝ニが言っていた俺に残した３分ってなんなんだ

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『新一？』

「んぁ？」

『来てくれたんだね』

「…」

『この爆弾止めて新一に会いたいな…』

「…オレもだ。そうとくれば早く爆弾を止めよう。あと3つ切れば止まるはずだ」

『うん！』

扉越しに聞こえるAの声。

＿＿＿...こんな怖い思いさせてごめんな

かすかに震えているその声、たまに聞こえるため息

こんなに近くにいるのに彼女に触れられない。

「…次で最後だ。黒のコードを切れば止まるはず」

『うん』

…＿＿＿＿＿＿

『あれ？』

「どうした？」

『タイマー、…止まらないよ
しかもまだコードが２つ残ってる』

「なんだって？！」

『赤と青のがふたつ…』

嘘だろ？！設計図にはそのコードのことなんてなにも…！？

まさか教授、オレをはめるためにわざと書かなかったんじゃ…！

『どうする？好きな色切っちゃう？』

「バカやろう！片方はトラップだ！切った瞬間吹っ飛んじまうぞ！！」

『……そんな怒らないでよ、』

「ふざけんなよ！今命がかかってるんだぞ！」

『…、ごめん』

Aを気にも求めず、設計図と向き合うオレ

頭をフル回転させて爆弾を止める方法を考えるオレの頭を覚ますように聞こえたのはデパートの前にある大きな時計台が０時になったことを知らせる音と

『新一、…お誕生日おめでとう』

Aからのお祝いの言葉だった。

『会ってね、言いたいんだけど…もしかしたら、会えないかもしれないもん…』

「A…」

『あのね、新一には伝えてなかったと思うけど、３年前にわたし自分の誕生日に大切な人亡くしてるんだ。
今度は、大好きな人の誕生日にふたりとも亡くなっちゃうのかな…』

「……」

はは、…と力なく笑うA

オレは設計図を投げて、小さい瓦礫が崩れ落ちるのを無視して扉に背を向けて座った。

「……好きな方、切れよ」

死ぬときは、一緒だ。

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