ロマンってなに ページ13
S side
咳き込んだ誰かを覗きにいくと、不自然なくらいに眉をひそめてて、ピクピク動いている男を見つけた
Aに着替えに行かせて、そいつの目の前に立った
「おい」
「……」
オレの声に反応したのに一切目を開こうとしないソイツ。口が固く閉じられてるから起きてるのは承知だけど、もうどうでもいいから、Aが着替えてるカーテンの前まで行ってAが出てくるのをまった。
…ファスナーが下げれなくて呼ばれるかなーなんて思ったのは内緒で。
少しすると、髪もメイクもそのままで制服だけ着替えてきたAが出てきた。なんか、昔のプリンセスが現代に来たみたいだなって思いながら、彼女の手を引っ張って、教室を出た。
「新一着替えないの?」
「オレはあとででいいや」
「あ、マント置いてきちゃった」
「今度いいよ、なんか食おうぜ腹減った」
今度がいつ来るのかわからない。俺にとって現実味のない約束をいくつもAと交わす。
「パフェ食べたい」
「却下焼きそば」
「パフェ」
「焼きそば」
「パフェ」
「いつでも食えんだろ」
「焼きそばもいつでも食べれる!」
「文化祭とかで食う焼きそばはちげーんだよバーロー」
「パフェも違うもん!」
「黙って付いて来いって」
「いーやーだ!!」
掴んでる手を無理矢理にでも引っ張るとAも負けじと反対方向へと引っ張っていく。
体重も力も全部俺の方が上だからどう頑張ってもずるずるとAは引っ張られるんだけど。
頑なに階段を降りようとしないから担いでなんとか焼きそばを売ってる教室の前に来た。来る前にAの教室の隣。オレの教室から自分の財布だけを取ってきてたから、2人分買って椅子に座る
「まーだ膨れっ面かよ」
「…、焼きそばありがとう」
「あ、おう」
箸を割ってAより先に焼きそばをいただく。いただきますとちびちび食べ始めるAに違和感を抱くも何気美味しい焼きそばに夢中になった。
「(…焼きそばってムードないよ、パフェなら胸キュンあったかもしれないのに)」
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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月19日 17時