確信 ページ49
C side
「コナンくん…コナンくん!…っ」
薄れゆく意識の中、鮮明に聞こえる彼女の声を頼りに整えられない息を整えようとしている
元太達とのキャンプ中、たまたま入った洞窟の中で殺人現場を目撃したオレら。犯人が発砲した拳銃でオレが撃たれて、最後は人質に取られ、そのまま意識を失った
目が覚めた頃にはオレは担架に乗っていて、元太達が心配そうにオレを見ていた
そしたら、蘭とおっちゃんがやってきて、きっと博士が呼んだであろうAも、ポアロのエプロンをしたまま病院にやってきた
「………っ」
「ふぅ…、っ…ふぅ…」
酸素マスクをしながら息する俺の隣にAがいる
泣きそーな顔してるよ…
いやもう、泣いてんじゃねーか…
泣くなよ…泣かしたくないのに、いつも泣かしちまう
見せたくないからって高1の文化祭の時は浴衣にジュースを溢したら、泣きながら着替えてたって言われた。
体育祭で蘭と園子とお揃いにしてた髪も、整えてやろうとしたら逆に台無しになって、Aだけポニーテールになったこともあった。
「…」
ポアロで新一のケータイを鳴らされたあの日から、Aはオレに、何かしら勘付いている
多分蘭の部屋で昔のアルバムを見て俺とコナンが似てることに疑問もって、Aなりにカマをかけたんだろ
兄弟かって聞いてきてたし
でも念のために、惚けたフリして、新一とコナンは別人だってことを突き通した
もう…ダメみてーだけどな
だって、そうじゃないと、友達の家に居候してる、少し仲良いだけのガキに、目を真っ赤にして、泣かない。
「大変です!前の患者でこの子と同じ血液型の保存血を使ってしまって、在庫がほとんどありません!」
「なんだって…?!今から血液センターに発注しても間に合わんぞ!!」
…なんだ、俺死ぬのか
コナンのままで死んで、新一の姿でもうAに会えなくなるのか。
情けねー…最後ぐらい、新一として、
「……蘭、蘭の血液型が一緒かもしれない」
「…!」
「へ…コナンくんの血液型なんで知って、」
「でも一応しらべてもらって、…あ、いい…?」
「もちろん!」
「ではあなたはこちらに!」
「…コナンくん、大丈夫だからね、蘭が血を分けてくれるよ…っ!だから、頑張って…」
「ふぅ…っ…ふぅ…っ」
A……
やっぱり、確信してたんだな。
俺が、工藤新一だって事
・
1391人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えむ | 作成日時:2020年5月4日 22時