名探偵と空中飛行 ページ29
K side
放り投げ出された名探偵を追いかけて、自らも窓から外へ飛んだ。その小さな体はすぐに見つけられて、手を伸ばす
でも伸ばしても伸ばしても届く気配がなく、最終的には重力に逆らえてない名探偵を泳いで抱き留めた。
「ふぅ…」
思わずでたため息。雲の中でキッドに変装をしてハンググライダーを広げる。風に乗って飛行しながら降りていく事しか出来ないが、一応名探偵に聞いてみた
「どうする名探偵?このまま降参か?」
「んなわけねーだろ!今すぐ飛行船にもどれ!!」
「無茶言うなー。俺のハンググライダーはエンジン付きじゃねェんだ。生きてるだけでもラッキーと思え!」
助けてやったのにありがとうのひとつも言えないこのガキをビビらせようと旋回してみた。そしたら予想通り「うぁあ、あ?!」とか名探偵らしからぬ声が聞けたから、あと2回はやったよね。
3回目くらいから早くも免疫が付いたのかビビらなくなっちゃったから近くに見えた島の砂浜に名探偵を降ろして、俺もハンググライダーを仕舞いながら降り立った
降ろしてもお礼は言わないので、飛行船を見上げて睨んでるその姿に見えないようにあっかんべーをしておいた
気付かれたみたいで、睨む相手は俺になったけど
砂浜の上にいるのもなんだからと、石垣の上に登った。そしたらヤギが寄ってきて、名探偵と離れてヤギと戯れることにした。
案外懐いてくれるヤギに気を取られながら誰かと電話を始めた名探偵の話を聞く。西の高校生探偵とかいう男に今回のことを話してるみたいだ
「それに感染者もふたり」
「よ、…3人だ。ディレクターの水川って人も掌に発疹が出た」
思わず口を出してしまったが、まだ彼女は痒みも何もなく赤くなっていただけだから感染者というのは、どうなんだろうか。
ひとりで考え事をしてると空にヘリが飛んで、またどこかに電話をしてる名探偵。コイツ知り合い多過ぎだろ
「__…僕もそのヘリに乗せて欲しいんです。この、工藤新一を。」
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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月4日 22時