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子どもに見えない ページ28

Y side



新一からの視線に耐えながら、どうしたの?と聞いてくる蘭達もはぐらかしていると、阿笠博士の後ろにいたはずの哀ちゃんが悲鳴を上げて足元に飛んできた


「哀ちゃん?!」


思わず駆け寄り、彼女が押さえてた頬を見ると赤くなっていた。博士の近くにいたショートカットの女性が哀ちゃんを殴った犯人なのだろう。


「なにをするんじゃ!!」

「子どもを殴るなんてサイテー!」

「今すぐ謝ってください!」


「フ…今度妙な真似をしたら」


彼女はポケットから銃を取り出すと構えてこう言った

「殺すわよ」




この人も、赤いシャム猫の仲間か。

反抗すれば銃で撃たれて死ぬだけだろう。大人しくして哀ちゃんに何か冷たい物をと立ち上がると彼女に手を引かれて止められた


「貴方は動かないで。ここにいなさい。」


子どもらしからぬ発言に、思わず「はい」と返事をしてしまって、彼女と博士の近くにいることになった。

少しするとドアが開き、入ってきたのはコナンくん達と歩美ちゃん達に銃を向ける犯人。

寝てしまっている小五郎さん以外のみんなが彼らのそばに駆け寄って、その様子を見ていた。

リーダーらしき人の足元に四角い何かが散らばって、コナンくん達に尋ねた。

恐らくあれが爆弾だろうな


「これ。お前らがやったのか?」

「ちがう!僕1人でやったんだ!こいつらは関係ない!」


コナンくんは爆弾の話を知ってたみたいで、1人で爆弾処理をしたと言っている。


「……」

真剣にリーダーを話すコナンくんにまた疑問が生まれた。何故、爆弾処理が出来るの?もしかしたら、どこかで間違えて…爆破しちゃうかもしれなかったのに。なんで、自分を犠牲にしするの?

今もそうだよ。


歩美ちゃん達を守って、全部自分で背負おうとしてる。その姿はやっぱりどこか新一に見えて、そんなわけないのに、思わず新一を探してしまった。


「…いい度胸だ。」

「うわぁっ!!」

「コナンくん!」


男はそう言うと、コナンくんを片手で持ち上げて、窓の一つを開ける。そしてそのまま____




「…!!!」


「コナンくん!!!」




投げた。





思わず走り出して窓に近づくと、横から現れた彼に「待った」と片手で止められた。


かと思えばそのまま彼も
窓の外へと自らの身を投げ出した。






「新一!!」




言っちゃダメなのに、彼の名前を呼んで届くはずのない手を伸ばした。



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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月4日 22時

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