奇術師の頭の中 3 ページ23
K side
一応、救急箱とかが置いてる部屋に連れてきて座らせたけど、急に動かなくなったな。
「……あ、の」
「あ、どした?」
顔を上げて俺を見上げるから辛いだろうと、彼女の横に屈んで話を聞く。
「さっきはごめん、急に抱きついて…久しぶりに会えたから嬉しくて、つい…」
「あー、びっくりしたけど嬉しかったからいーよ。」
「うれ、…っ!」
ニカッて笑ってあげれば、顔が赤くなる過程を見せてもらえて。初対面だけど、この時間がとても心地が良いと感じた。
「…その顔、解いてほしいな。新一に戻ってほしい」
「っあー、今からウェイターの方の仕事の時間だから後ででいいか?」
なぁーんでまたアイツになんなきゃいけねーんだよお
アレ何気に難しいんだからなー?
わかったと返事をする彼女に何気に聞き分けいいんだなって思う。時間を見れば本当に仕事の時間でここを離れないと行けなくなる
「やっべ、仕事もどらねーと」
「あ、わたしも…」
「もう少し休んでろよ、デザートは持ってきてやるから」
立ち上がろうとする彼女の肩を押さえて、座らせる。一緒に戻って怪しまれたらもともこーもねーって。
彼女に手を振って、部屋を出た。
「あ!ちょっと、このデザート運んでって」
「あ、はい」
戻る途中でウェイトレスにトレイを貰ってそのまま名探偵たちがいるであろうホールに向かう。
案の定彼らは、デザート待ちだったみたいでテーブルの上に置いていくと、空手の姉ちゃんに喋りかけられた
「Aはどこにいるんですか?」
コイツ…、今ただのウェイターやってんのに変に勘付かれそうな事言うなよ。敬語だから少しは許すけどよ
「ん?なんでウェイターがAの居場所しってんの?」
「お兄さんA姉ちゃんと知り合いなの?」
名探偵まで出てきやがった…。
「ああ、実は知り合いなんです。話してたら疲れたと言って今は医務室で休憩してます」
「ふーん。そうなんだ。ねえ、医務室ってどこにあるの?」
なんでなんで期の子どもかって。無意識なのか知らねえけど小1の姿してる癖にめちゃくちゃ顔こえーぞ。
「……多分もうすぐ戻るから心配しなくていいと思うよ坊や」
「A姉ちゃんケーキ大好きだから、届けてあげようと思って」
無邪気な子どもを演じつつ何やら俺を探ってる名探偵。なんであの子にそんな突っかかるんだよ。
って、俺も普通に教えればいいのに何ムキになってんだ
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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月4日 22時