空飛ぶクジラ 2 ページ16
Y side
困ったように笑うコナンくんの隣で哀ちゃんが呆れたように彼を見てた。
阿笠博士が私たち以外にお客様はいないのかと尋ねると私達の他にいたのは、ルポライターの藤岡さん、テレビ局の水川さん、西谷さんそして石本さんの4人だけだった。
声が大きいのか水川さんと小五郎さんが話している声が少し離れた私たちのところまで届いている。どうやら“赤いシャムネコ”というテロ組織でテレビ局は、話題が持ちきりだそう。
「ケッお陰でワシの自伝映画用のヘリの使用許可も降りんかったわ!全く忌々しい泥猫どもじゃ!のぉルパン!」
「ワンッ!」
そんな遠くまで声が響いていたのか、部下を何人も連れて次郎吉さんはやってきた。愛犬のルパンも一緒に
水川さんたちが駆け寄って、次郎吉さんと話始めたが、あんまり興味もないのでルパンと遊んでいると話はいつの間にか”赤いシャムネコ“の盗んだ殺人バクテリアなるものの話題になっていた。
「飛沫感染っていうのは、咳やくしゃみで移ること。特に子どもには移りやすいっていうから注意することね。」
そういう哀ちゃんも子どもなんだけどね…
3人は怖がるのに相変わらず大人だなぁコナンくんと哀ちゃん
「なーに。殺人バクテリアだがなんだか知らないが俺なんて病原菌がウヨウヨ飛び回ってるところ旅してもこーやってピンピンしてるぜ!人間様は何よりもつえーんだ!」
「ですよね!」
ルポライターの藤岡さんが近づいてきて、子ども達を安心させる言葉を掛けたかと思うと、次の言葉で状態が変わる。
「最も、おめーらみたいなガキはコロッと逝っちまうかもな」
「えー!」と声をあげて怖がってしまった3人。フォローする蘭と園子。わたしもムカついたから言挙げしてしまった。
「その殺人バクテリア、研究室全部破壊しちゃったから本当に持ち出されてたか分からないって聞きました。もしかしたら、そんなものないのかも知れないのに子どもたちを怖がらせるのはやめてください」
「ホォー、そういう考えはなかったな」
そういうと、アッハッハッと笑いながら藤岡さんは離れていった。すこし睨まれたのは気のせいじゃない。
「まあ安心せい!日本中のどこに細菌がばら撒かれようとこの飛行船に乗っていれば大丈夫じゃ!」
アッアッアッアッ!と笑う次郎吉さんにつくづく呑気だなと思う他なかった
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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月4日 22時