どっちが子ども? ページ12
C side
「はぁ…」
「大丈夫?疲れちゃった?」
「大丈夫大丈夫!疲れてないよ〜」
本当の小学一年生が見れば仮面ヤイバなんてヒーロー喜んで見てたはずだけど生憎俺は中身が高校2年生なもんでね。
映画館を出ると土曜日だからか賑わっていて、家族連れが多かった。
「はい」
「…?」
Aが屈んで、右手を差し出す。その手の平には何も乗ってなくて、なんだろうとAを見た
「んふふ、かわいいなぁ、おてて繋ごう?」
「へっ…」
完全なる子ども扱い。
抱き締められたり、抱っこされたりすることは多々あるがAと手を繋ぐという行為は新一の時でも今でもこれが初めてでドギマギする
や、はじめてか…?
連れ出したりとか腕引っ張ったりは日常茶飯事だったけど、まあ初めてでいいか。
Aの完全に伸ばしきっている腕に対し、上に伸びるように少し曲がっている俺の腕。これが新一だったら、逆の立場だったのだろうか。
手のひらを合わせる繋ぎ方じゃなく、一本ずつ指を絡ませて、繋げたのだろうか
…無理だったかもな
コナンの姿になってから電話でAと話す俺はどこか素直になってて、新一のままだったら言えなかったことも言えるようになってた
新一の時は変にプライドが高くて、いつも思ってもないことを言うばかりで、その癖コナンは思った事をすぐに言えて、Aから受けるハグや頭ぽんぽんは素直に受け止めてて
このままでもいいのかもな、なんて
灰原に言ったら怒られそうだから言わねェけど
飲食店に入って、それぞれご飯を頼む。そーいえばこれ全部A持ちなんだよなぁ…クソー情けねえよ。
「コナンくんおいしい?」
「うん!A姉ちゃんと一緒だからもっとおいしい!」
「もうかわいいなぁ、連れて帰りたくなっちゃう!」
「えへへ、それはダメ〜」
「かわいい…」
コイツこんなに子ども好きだったか?
灰原たちにもいつも可愛い可愛い言って、元太にもこの間“うな重奢るからぽんぽん触らせて”って言ってたな…
ぽんぽん……言い方かわいかったなぁ、
「あ、そう言えばコナンくんも宇宙船一緒に乗るんだよね?」
「宇宙船?」
「うん!あれ?蘭から聞いてない?」
「宇宙船じゃなくて、飛行船だと思うよ…A姉ちゃん」
「あっ…」
コイツよくイントネーションで覚えること多いからな。同じ船だから先に宇宙船が出たんだろう
俺に注意されて恥ずかしいのか真っ赤になりながらチビチビと箸を進めた。
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作者名:えむ | 作成日時:2020年5月4日 22時