8話 ページ8
阿部「みんな、飲み物決めた？」
ラウール「大丈夫だよ〜店員さん呼んじゃおう！」
仕事終わりでどうにもお腹がすいたのか、ラウールが急かすように呼び出しボタンを押す
店員「失礼します、ご注文をどうぞ」
阿部「ええと、いつものだよね、レモンサワー1つ、ビール1つ、烏龍茶1つ。それと、Aさんは…」
A「私も、生で」
Aさん、お酒飲めるんだ
店員「すみませんお客様。左側のお二人は年齢確認ができるものを見せて頂いてもよろしいですか？」
ラウ「あ、ぼく烏龍茶です。お酒飲まないので」
A「え、あ、私も？」
少し戸惑った様子でバッグの中から免許証のようなものを取りだし、店員さんに見せた
店員「はい、ありがとうございます。失礼致します」
店員さんが扉を閉めると、すぐにラウールが口を開いた
ラウ「Aさんお酒飲めるんだね！おいくつなんですか？」
A「あ、私？私、23歳ですよ」
あれ、意外と大人かも
ラウールと同じくらいか少し上、下手したら年下くらいに思っていた俺は思わず目を丸くした
A「私、化粧っ気ないしよく年下に見られるんですよ」
そう言ってまた俺の方を見て、あの顔でにやりと笑った
阿部「そ、そんなつもりじゃ…」
この人にはいつも心を見透かされた気持ちになる
A「別に若く見られることが嫌な歳ではないんで気にしないでください、なんならみなさんタメ口で喋ってもらって構いませんよ。ラウールさんも、目黒さんも」
いきなり名前を出され、3人の視線がめめに集まる
そういえばAさんに会ってからめめが一言も話してないことに気がついた
目黒「あ…うん、ありがとう。名前知っててくれたんだね」
A「そりゃ会社にジャニーズのロケが来るってなったら名前くらい確認しますよ。阿部さんとラウールさんもいるグループだったし。それに…」
そこでAさんが少し言葉を切って、めめのほうをまっすぐ見た
A「今日、資料拾ってくださってありがとうございました」
そう言ってまたふわりと笑った顔は、あの時病院で見た笑顔と同じだった
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作者名：ぼくはほくと！名前はほくと！ | 作成日時：2022年9月22日 1時
