空をみる雪（阿部亮平） (ページ32)

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32話ページ32

阿部「うう、さぶっ」

スニーカーに足を突っ込み、外に出ると冷たい風が頬にあたる
まだまだ冬ではないとはいえ、11月の夜にアウター無しで出るのはちょっと寒かったかも

深澤「大丈夫？俺のパーカー着る？」

俺が腕をさすると、ふっかが自分のパーカーのチャックを降ろそうとする

阿部「いいよ、ふっかが寒くなっちゃう。俺にまでリアコしないでよ〜」

俺が女の子だったらドキッとしてしまうような仕草
少し照れて冗談ぽく返すと、ふっががにやりと笑う

深澤「いや〜今のうちに優しくしとかないとねえ」

意味深なような事を言われるけど、それを深く考えるほど俺の頭は正常には働いてない
にやりと笑った顔が少しだけAちゃんに似てるなと思いながら足をすすめる

深澤「みんな盛り上がってたね。Aも徐々にリラックスしてくれてたみたいだし」

阿部「うん、Aちゃんはすごいよ。みんなとすぐ仲良くなっちゃう」

Aちゃんのコミュ力がえげつないということ、こーじがあんなにも早く女の子に懐くのはすごいということ、俺が買ってきた食べ物に1番食いついていたラウールがかわいいこと

他愛もない話をしているうちにあっという間にコンビニに着いてしまう

深澤「阿部ちゃん好きな物入れていいよ」

そう言ってふっかはお酒のコーナーから缶のお酒をぽいぽいとカゴに放り込んでいく

阿部「俺水も買おうかな…」

歩いて少し酔いは冷めたけど、あまり強くないからもう少し水は飲んでおきたい

深澤「あ、じゃあ2Lのと、500mlの持ってきて」

次はお菓子コーナーでスナック菓子を吟味するふっかに謎の指定をされ、ペットボトルを2本、両手で抱える
冷たくて思わず袖に手をしまう

深澤「うん、それでおっけ。俺払うからそれも持っておいで」

コンビニのお会計ではSnowManで集まった時にしか見ない金額をふっかに支払ってもらい、お酒と水でいっぱいの袋を半分こにして持つ

深澤「ねね、ちょっと寄り道していい？」

阿部「ええ〜、重いよ」

深澤「まあまあ、ちょっとだけ！ね。」

コンビニを出た途端、寄り道がしたいと言い出す
俺こんな重いの持って歩くの嫌なんだけどなあ

ちょっとぶつくさ言う俺をものともせず、ふっかは歩き出す

深澤「ちょっと公園にお散歩〜」

阿部「公園なんて行くの！？ちょっと待ってよ〜」

こんな時間に公園なんて
ノリノリで歩き出すふっかに俺はついて行くしか無かった