空をみる雪（阿部亮平） (ページ24)

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24話ページ24

渡辺「撮影おつおつぴょ〜ん」

翌日、1つ目の撮影を終えた俺、舘様、翔太は楽屋でのんびりと次の休憩に向けて休んでいた

渡辺「そういえば涼太、この間の休みに阿部が酔いつぶれた話知ってる？」

暇を持て余した翔太が先日の俺の失態をバラそうとニヤニヤしている

阿部「ちょっとやめてよ〜俺全部覚えてて恥ずかしいんだから！」

宮舘「肉フェスが何とかって言ってた日だよね」

早朝からの撮影でまだテンションが上がらないのか、スマホから目を離さず舘様が答える

渡辺「そうそう。俺らが合流した時からもうベロッベロでさあ〜。あんなの久しぶりに見たよ」

そう言う翔太が本当に悪い顔

スタッフ「渡辺さん、ちょっとさっきの撮影の確認いいですか？」

渡辺「あ、はい。帰ったら詳しく話すから！」

1人で騒いで、1人で出ていった翔太を見送ると、なぜか変に静かな楽屋になる
舘様は何も喋ってくれないし、ちょっと気まずいかも

まあそんな日もあるだろうと自分のヘアセットを整えたりタブレットで本を読んでいると急に舘様が口を開いた

宮舘「俺はあの子とのこと、反対だよ」

え？

阿部「ど、どういう意味…あの子ってAちゃんのこと？」

思いもよらなかった言葉に戸惑う

宮舘「わかってるじゃん。俺はあの子を信用しきれてない。せっかく苦労してここまできたのにいまそんな怪しい子に引っかかるなんて」

阿部「怪しいってなんだよ」

宮舘「どう考えても怪しいだろ。病院で話しかけられて、ロケ先で再会して、そこからどんどん仲良くなる若い女性なんて」

いつになく厳しい口調で俺に話す舘様に戸惑う

阿部「でも…Aちゃんはいい子だよ」

いつも優しい舘様がこんなに厳しいことを言うのは俺の受験の時以来
あの時を思い出して強く言い返せない

宮舘「気になってる子はいい子だと思うだろ。客観的に見ろってことだよ」

言い返したいことが頭にはいくつも浮かぶけど口に出せない
伊達様いつも物事を客観的に見てて、的確なことを言ってくれることを俺は痛いほど知ってる

宮舘「恋愛するなとは言わない。やるなら隠し通せ。でもあの子は本当に信用なる子なのかはよく考えろ」