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――小6。
”サーくん”が見えている子は極一部になり、見えていた子も「気のせいだった」と思い始めている頃。

「サー君、私ね、これに良く似た夢を見た気がするの」

軽度とはいえ、”いじめ”が目に付き始めていたのであった。
前々から少々といいつつ悪口陰口はあった。
しかし。

「カラスの羽だよね、可哀想。こっちは虫かな? 死んでる……」

ここまで目につくのは高学年に上がってからのことだった。

『だから言ったんだけどなぁ。相棒、今日こそは学校休もうぜ?』
「ここまで来たのに?」
『じゃあ今日も保健室行こうぜ』
「そっかぁ、じゃあ行こっか」
『ああ、早く行こうぜ』

そんな会話をほぼ毎日しながら、毎日のように保健室へ向かう。
理由は最近こそ適当ではあるが、それなりの体調不良や怪我を装っておとなしく過ごしているのである。

『んじゃ、相棒、おとなしくしてるんだぞ?』
「うん!」

保健室のベッドの上で、何をするわけでもなく、ぼうっとしている。
その間、”サー君”は授業を見に行って、中休みや昼休み、放課後などに授業の内容を教えて、勉強に遅れを取らないようにしているのである。

「あら、Aちゃん、今日も保健室? ”サーくん”はまた教室?」
「はい……、サー君は、私の代わりに、教室で」
「勉強はわかる? 大丈夫?」
「大丈夫です……、サー君は、私に教えるの、すごく上手だから」
「そう、なら良かったわ」

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作者名:koto | 作成日時:2018年1月22日 23時

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