水魚之交 (ページ26)

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〚SV〛

「お初にお目に掛かります。改めまして『能力者』である鈴蘭合歓(すずらねむ)と申します…『属性』は『氷』で得意な事は『後方支援』で御座います。どうぞ宜しくお願い致します……其れで、貴方様のお名前は何でしょうか……?…『如月紫乃(きさらぎしの)』様と仰るのですね、とても素敵なお名前だと思います…!此れから宜しくお願い申し上げますね。其れでは『如月(きさらぎ)さん』とお呼びしても…?……あ、良かったです。私(わたくし)の事はどうぞお好きにお呼び下さいませ……に、しても。少々無礼では有りますが最初は其のお可愛らしい容姿からてっきり『女性』かと思っておりました……素敵なセンスをお持ちなのですね、見習いたいものです」

「……ど、どうしましょう…?明らかに紫乃(しの)様、私の事を気に掛けて下さっておりますよね…生憎、私(わたくし)はそう云う『恋愛』には縁遠い人生を送ってきたもので…き、きっと私の妄想ですよね……私の様な人間が紫乃様の様な素敵な方に、す、好かれるだなんて勘違い甚だしいですわっ…!……と、云っている側から紫乃様の姿が…ん?…此方に向かって来ていらっしゃいます……っ!?…も、申し訳有りません、失礼を承知では御座いますが逃走させて頂きます……!し、紫乃さん、お願いですから追いかけて来ないで下さいまし…さもなくば『能力』を駆使して凍らせてしまいますよ…?!」

「……へ、あ、あの、もう一度仰って頂けませんか…?すみません、最近耳の調子が可笑しい様で幻聴が聴こえてしまうのですよ……まさか紫乃さんが私(わたくし)の事を好いて下さる筈が有りませんから……きっと私の願望が具現化しただけであって……ぇ、もしかして本当にそう仰ったのですか…っ!?……此れは夢、恐らく夢なのです…紫乃様の様な素敵な御方が私(わたくし)の様な取るに足らない凡人を好いて下さる訳が…っ、そ、そんなに見詰めないで下さい、そ、其の…流石に恥ずかしいです…わ、分かりました、信じますからっ!……此方こそ、宜しくお願い致します」

「…んん…あれ、しーさん……?もう、朝でしょうか…??…何時もはるかねぇが起こして下さるのですが……んぇ、ど、何処へ…?…ぁ、髪を、結って下さるのですか…?……あ、有難う御座います、嬉しいです……しーさんの触り方はとても落ち着きますね…ついついうとうとしてしまいます…んん、すみません……出来たら、起こして下さい……」

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