合宿3日目18-容赦ない参謀と ページ15
「陰野、いい球だ。…っふ、」
『そんな事言いながら重い球をさらっと打ってくるのやめてくださいよ、っ!!』
駄目だ、柳くんはドSだ。そうに違いない。涼しい顔してとんでもない人である。
少し前に丸、じゃない…ブン太くんと話をしていた私の後ろにぬっと現れた柳くんは「陰野、テニスをやった事はあるか」などと言ってきた。いや私貴方を避けてるつもりなんですけど、という視線を送るが華麗に躱され、どうなんだとノートを構えながら迫ってきたので、どうしようもなくなって『…授業でやった程度ですが』と答えたが為にこんな状況になっているのだ。何で授業でやった程度なのに立海の参謀と打ち合いをしなければならないのだろうか。今のところ落とさずに打ち返せているのは、流石に手加減してくれているからだろう。
「陰野さーん!シューズ大丈夫?」
『大丈夫です幸村くん!!、っは!』
実は、この打ち合いをする際にシューズを幸村くんに借りているのだ。いくら練習コートとは言っても此処に履いてきた自前の靴ではコートを傷つけるかもしれないと危惧していた私に、幸村くんが快く貸し出してくれた。意外と大きくないかな、なんて言ったら色々傷つけそうなので何も言わないけど。
『ちょっ、柳くっ!っはぁ、』
「陰野が『休憩しましょうよ』と言う確率、98.4%だ。…却下、」
ため息をつく間もなく、またすぐに球が私を狙って打たれる。いや、私が何を言いたいのか分かってて止めないとかもうほんと鬼畜すぎる。しかも、何に必要なのか私のデータまでとっているらしく、時折「…94%だっ、」などと呟いているのが聞こえてくる。本当に何なんだよもう。だんだん腹が立ってきた。
『もっ、いい加減、にっ、しろや!!!』
「!?」
相変わらず容赦のない打球に半ギレしながら力を振り絞り両手で思い切り打ち返す。これで柳くんも諦めてくれるだろうと期待を込めて。
「はっ!」
『っ!!…いっ、』
しかしそう上手くはいかなかった。最初こそ驚いていた柳くんだが、すぐに目の色を変え(何故分かったかというと開眼したからである)にやりと嫌な笑いを見せたかと思うと、今までとは比べ物にならない力強いストレートを放ち、それに耐えられなかった私の右手首が嫌な曲がり方をした。ラケットが手から離れ宙を舞う。両手でラケットを支えていたのに何て力だ。
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リー - 続きお願いいたします。 (2017年7月21日 0時) (レス) id: d528214b0c (このIDを非表示/違反報告)
ぽよ*(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!!!これからも面白いと言っていただける小説を目指して更新頑張ります♪( ´▽ ` ) (2015年10月31日 23時) (レス) id: b876b60e24 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - とっても良いですね!面白いです(o^^o) 更新、楽しみにまってますね^ ^ (2015年10月31日 23時) (レス) id: c1b9c7629a (このIDを非表示/違反報告)
ぽよ*(プロフ) - コメントありがとうございます!!!面白いと言っていただけて、とても嬉しいですo(^▽^)o更新頑張ります!! (2015年10月31日 22時) (レス) id: b876b60e24 (このIDを非表示/違反報告)
にろか。 - 初コメ失礼します!!┏oペコすっごく面白いですね!(*´罒`*)いい作品になるよう(((←いやもうなってんだろこれからも期待してます!更新楽しみに待ってますっ(*´-`) (2015年10月31日 21時) (レス) id: 8b4603215a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽよ* | 作成日時:2015年6月1日 1時