手塚くんと私2 ページ5
「ねぇ、」
『...(誰か気付いて此方来てくれないかな)』
「ねぇってば、」
『っふぁい!!?なな何でしょうか!!』
いつの間にか私の前に人が居た。咄嗟の事だったので思わぬ声が出てしまった。私に話しかけてきた少年はきょとんとした後、帽子を深く被り肩を小刻みに震わせ出した。あれ、もしかして笑ってる?
暫くの間笑い続けた少年はようやく「っくく、はぁー」と言いながら帽子を被り直した。つばで隠れていた顔がよく見えるようになり、思わず観察。男の子にしては可愛い部類の顔立ちで、大きなつり目がちの瞳には好奇心と悪戯心が浮かんでいた。生意気そうである。
「副会長さんが何の用?」
『あ、知ってるなら話は早いのですが、手塚くん居ますか?』
「...部長ッスか?」
『はい。実は今日提出の書類で会長のサインが必要なものが幾つかありまして、それで来たんですが...何だか入りにくくて』
「ふーん、」
訳を話すと少年はそれだけ言って唐突に私の腕を掴み、ずんずんと歩き出した。慌てて待ったをかけるが聞く素振りを見せない。一瞬コートに続く階段で躓きかけるがお構い無しで一体何なんだとため息が漏れた。しかし少年は止まらず私を連れてコートに入っていく。周りで練習している部員たちがちらほら此方を見てくる。少し居心地が悪くなってきた、と目線を下に落とすと同時に少年がいきなり声を張り上げた。
「部長ー!部長にお客さんでーす!」
吃驚して顔を上げる。
『は!?え、君、どういうつもりですか?』
「越前リョーマ」
『え?』
「君じゃなくて、越前リョーマ。俺の名前」
あ、越前くんですね、って違ぁぁそうじゃない!!何が何だか分からない。大声を出したと思えば唐突な自己紹介。何だこれ。困り果てていると「越前、何の用だ」という台詞と共に、手塚くんが歩いてきた。後光が見えるぜ。
『手塚くん』
「陰野!?何故此処に...越前は何故陰野の腕を掴んでいる」
「(部長こわ)何故って...俺が此処まで連れて来たんスよ。ね、A先輩?」
越前くんが手塚くんをちらりと見てから此方を向いた後ろで手塚くんが苦い顔。何故。
『うんそうですが...って何で名前、』
「あんた副会長じゃないスか。そんなの分かるッスよ」
『それもそうですね。あ、で手塚くんにちょっと用事があって』
危ない、越前くんのペースに流されるところだった。
###
手塚は今までずっと陰野呼びだったのにリョーマはいきなりAと呼んだから「先を越された」という意味で苦い顔。
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幸村周助 - 記憶喪失 (2018年8月21日 12時) (
レス) id: aab9822ed6 (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - ぽよ*さん» ありがとうございます！紹介させていただきます^ ^ (2015年10月8日 22時) (レス) id: 44ff7cdde6 (このIDを非表示/違反報告)
ぽよ*(プロフ) - Sayuraさん» コメントありがとうございます！！紹介！？全然構いませんよ！！むしろ紹介してどんどん広めてやってください(土下座)…あ、把握していただいているかも知れませんが、続編は書いているので良かったらどうぞ！ (2015年10月8日 19時) (レス) id: b876b60e24 (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - 初めまして、Sayuraと言います。とても面白いと思ったのでこの作品を私の作品で紹介したいのですが、いいでしょうか？嫌だったらすみません。続編の更新楽しみにしてます^ ^ (2015年10月8日 16時) (レス) id: 44ff7cdde6 (このIDを非表示/違反報告)
真ちゃんなう！(プロフ) - ぽよ*さん» そうでしたか...教えて頂きありがとうございます (2015年6月4日 20時) (レス) id: 883ad8778b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽよ* | 作成日時：2014年11月18日 0時
