合宿2日目5-中庭にて ページ34
暫くして書き終えたのか、今度は柳くんが口を開いた。
「では質問だ。陰野は手塚の事をどう思っている」
『え?生徒会長でテニス部部長で...文武両道を絵に描いたような人...ですかね。尊敬してます』
「...ふむ。次、不二は?」
『んー...、眉目秀麗の美少年...と思っていましたが、意外と腹黒そうな人。あ、腹黒いといえば、幸村くんもそうっぽいですよね』
「あぁ。陰野は人をよく見ているな」
『人を無意識に観察してしまう癖があるんです。...というか、そういうお世辞は結構なので早く解放して頂けませんか』
何故か柳くんから私への質問タイムが続く中ふとルナの方に目をやると、毛繕いを終えたのかある一点をじっと見つめている。何だ何だと覗き込むとバンダナの...あ、そうだ海堂くん。海堂くんがルナににじり寄っていた。成る程海堂くんも猫が好きなのかそうなのか...
久々に腹から声を出した。
『海堂くん!私を助けてその猫を十分に触りたくありませんか!?』
「!!」
何処からともなくいきなり名前を呼ばれて吃驚したらしく、肩を跳ねさせた後キョロキョロ辺りを見回した海堂くんは此方に目をやり、私とがっつり目を合わせた。
『私です!海堂くんお願いします!』
余程私が必死そうな顔をしていたのか、何回かルナと私を交互に見た後ポケットに手を突っ込んだまま歩いてきた。
「乾先輩、柳さん、そこ退いて下さい」
「あぁ、分かった。行こう、蓮二」
『え』
「...残念だが、今回は諦めるとしよう。だが次は覚悟しておけ」
乾くんに促され向こうを向いた柳くんは、恐ろしい捨て台詞を吐いたかと思うと最後に此方を振り返りにやりと笑う。
開眼していた。
不二くんより全然怖い。その瞬間ピシリと石のようになった私に、海堂くんが恐る恐る声を掛けてくれる。
「あの、大丈夫ッスか」
『!あ...はい、大丈夫です。ありがとうございました』
頭を下げると、海堂くんは照れたように頬を赤らめた。何だ意外と可愛い。目付き凄いけど。てててて、と駆け寄ってくるルナを見て頬を緩ませている彼に、此方の頬も緩む。ルナを抱き上げて『腕を出して下さい』「あ、ハイ」と素直に腕を差し出す海堂くんにルナを手渡す。私が手を離すと、海堂くんは(分かりにくいが)目をキラキラと輝かせ「...ッス、」と言って、ルナが潰れないようにか、軽く頭を下げた。
赤也くんに続く年相応の中学生が此処に居た。私の周りの人たち絶対年齢詐称だよ。
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幸村周助 - 記憶喪失 (2018年8月21日 12時) (
レス) id: aab9822ed6 (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - ぽよ*さん» ありがとうございます！紹介させていただきます^ ^ (2015年10月8日 22時) (レス) id: 44ff7cdde6 (このIDを非表示/違反報告)
ぽよ*(プロフ) - Sayuraさん» コメントありがとうございます！！紹介！？全然構いませんよ！！むしろ紹介してどんどん広めてやってください(土下座)…あ、把握していただいているかも知れませんが、続編は書いているので良かったらどうぞ！ (2015年10月8日 19時) (レス) id: b876b60e24 (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - 初めまして、Sayuraと言います。とても面白いと思ったのでこの作品を私の作品で紹介したいのですが、いいでしょうか？嫌だったらすみません。続編の更新楽しみにしてます^ ^ (2015年10月8日 16時) (レス) id: 44ff7cdde6 (このIDを非表示/違反報告)
真ちゃんなう！(プロフ) - ぽよ*さん» そうでしたか...教えて頂きありがとうございます (2015年6月4日 20時) (レス) id: 883ad8778b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽよ* | 作成日時：2014年11月18日 0時
