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撮ろうと決めた景色が目的ではなく、その先に求めている何かがある、ということだろうか。
考えていると、「俺も聞いていい？」と優太くんが私の顔を覗き込む。
「一番最初、坂道ですれ違った朝、何があったの？」
「え？」
「あの時、なんであんなにキラキラしてたのかなって」
優太くんを連れて行った病院からの帰り道、彼に言われたことを思い出す。
“いい顔”をしていた、と。
撮りたいと思ったと、そう言ってくれた。
優太くんが私を見る。
優しい表情なのに、追い詰めるような眼差しや聞き方では決してないのに、逃げられないなんて思ってしまうのはどうしてだろう。
「恥ずかしくて…、誰にも言ってないんだけど、」
言葉が自然と喉を出て、そう話し始めていた。
「芸能プロダクションにね、履歴書を送ったの」
18歳になる私の、とるにたらない些細な冒険。
後にも先にも誰にも言うつもりはなかった。
あの履歴書がどうにかなることなんてないのだから、私から誰かに話さなければ、密かに消えて、誰にも知られないままこの世からなかったことになるだけの出来事だった。
優太くんは笑わないだろうか。
そう思うと隣にあるその顔を見れずに、投げ出した足をぶらぶらさせる。
「芸能人になりたいの？」
「えっと、芸能人っていうよりはモデル、かな…、なれるわけないってのはね、分かってるの。ただ、この間あのバーに行ったのと同じで、何だか無性にいつもと違うことをしてみたかったっていうか、」
「ほぉ、うん」
「…玄樹くんには欲求不満って言われた」
ひでぇなと優太くんが笑った。
「“いつもと違う自分”は、モデルなんだ」
けれど彼が、私の冒険に対して笑うことはなかった。
ただ純粋に、知りたいと思ってくれているのだろうか。
私が優太くんのことを知りたいと思ったのと同じように。
分からないけれど、そう感じさせるような目をして優太くんは私を見ていた。
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こむぎ(プロフ) - sarusukiさん» 2はフラグが立ってるので、問題ないようであればご自身で設定をお願いします！ (2018年6月17日 18時) (
レス) id: c18b3d0fe1 (このIDを非表示/違反報告)
sarusuki(プロフ) - パート2の方が見られなくなってしまいました！！見られるようになりませんか？涙 (2018年6月17日 17時) (レス) id: bd649719ef (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 湊さん» ありがとうございます！この話は書きたい描写が多すぎるので、できるだけくどくならないように気をつけたいと思ってました…！多分まだまだ続くのでこれからもお付き合い頂けると嬉しいです〜！ (2018年5月20日 16時) (レス) id: ae12cda8c1 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - こむぎさんの書くお話大好きです！！諄くない、綺麗な文章を書く方だなぁ、といつも思ってます。これからも更新楽しみにしてます！ (2018年5月17日 13時) (レス) id: 5d99fecd0e (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - ゆりーるさん» わーいありがとうございます！3人のもともとの強すぎる個性を殺さないようにキャラ作れたらなぁと思ってるのでそう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです〜！これからもよろしくおねがいします！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 599e963edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2018年1月3日 11時
