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一枚の画として出来上がった状態で見せてもらったそれらは決して、それを写した場所に行けばいつでもそこに広がっているような景色というわけではないんだろうなと思う。
だって、落陽と干潟の重なる瞬間を撮るために何日もこの島に滞在するような優太くんだ。
それにしても、彼にとってのカメラは本当に全くの趣味なんだろうか。
見せてもらった景色は全て国内のものとは言っていたけれど、とはいえこれほどいろんな場所で写真を撮ってまわるにはなかなかに時間もお金もかかっただろう。
「優太くんって、普段は何してる人なの？」
最初から気になってはいたのに結局聞けずじまいだった。
今だってこんなにも近い距離で話しているのに、思えば優太くんのことを私はほとんど知らない。
優太くんはカメラのストラップを首にかけながら、「仕事？」と聞き返した。
「うん。仕事、とか」
「仕事は去年辞めた。前に玄樹が無職って言ってたろ？あれ本当」
そうか。
言われてみれば、そんなことも言っていた気がする。
冗談のようなノリで交わされていた会話だったから、ちゃんと記憶してはいなかったけれど。
「前は、どんなお仕事してたの？」
聞いていいことだろうか。よくないかもしれないと思いながら、聞く。
単純明快なように見えて、今一つどこか捉えどころのない優太くんのことを知りたい。
けれどやっぱりあんまり聞かない方がよかったのか、優太くんは夜の海の遠く、水平線の方をぼんやりと眺めていた。それから短く、「自衛官」と一言返す。
「え、すごい、かっこいい」
「はは、マジで全然かっこよくないよ」
「でも自衛官って国を守るお仕事ってことだよね？」
「うーん、まぁ。でも俺は別にそんな高い志があったわけじゃなくて、入隊したのも高卒で安定した給料欲しいってだけの理由だったし」
「お給料、」
「うん。俺中学からばあちゃんに育ててもらっててね、その分の恩を早く返したくて高卒で自衛官になったんだ。それでずっとばあちゃんに仕送りするために働いてたんだだけど、一年前にばあちゃんが死んで、」
視線の先は依然として真っ暗な海へ向けられたままだった。
目は伏せずに、真っ直ぐに。
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こむぎ(プロフ) - sarusukiさん» 2はフラグが立ってるので、問題ないようであればご自身で設定をお願いします！ (2018年6月17日 18時) (
レス) id: c18b3d0fe1 (このIDを非表示/違反報告)
sarusuki(プロフ) - パート2の方が見られなくなってしまいました！！見られるようになりませんか？涙 (2018年6月17日 17時) (レス) id: bd649719ef (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 湊さん» ありがとうございます！この話は書きたい描写が多すぎるので、できるだけくどくならないように気をつけたいと思ってました…！多分まだまだ続くのでこれからもお付き合い頂けると嬉しいです〜！ (2018年5月20日 16時) (レス) id: ae12cda8c1 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - こむぎさんの書くお話大好きです！！諄くない、綺麗な文章を書く方だなぁ、といつも思ってます。これからも更新楽しみにしてます！ (2018年5月17日 13時) (レス) id: 5d99fecd0e (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - ゆりーるさん» わーいありがとうございます！3人のもともとの強すぎる個性を殺さないようにキャラ作れたらなぁと思ってるのでそう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです〜！これからもよろしくおねがいします！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 599e963edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2018年1月3日 11時
