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「マジか！おめでとう！！」
「今日なんだ、すごい。えー、初めて飲むお酒つくると思うと緊張する」
言っていることも焦りながらのその言い方も、我ながら苦しいなと思ったけれど信じてもらえたようでよかった。
昨日会った岸さんは何となくそうだと分かっていたけれど、この可愛らしい彼も含め二人とも純粋にいい人のようだった。
「え、ていうか待って！」
何かに気が付いたのか、岸さんが突然声を上げて席を立つ。
「イワゲン、チャリ借りていい？」
「は？いいけど」
「サンキュ！ちょっと行ってくるわ！」
そう言うと、声をかける隙も与えない程の速さで彼は店を出て行ってしまった。
何か他に用事を思い出したんだろうか。
突然のことに呆気にとられて、閉じたドアの先に視線を向けたままの私にカウンターの中の彼は「気にしなくていいよ」と笑った。
店の中に二人残されるかたちになる。
それにしても。
近づいてはいけないと言われても心の底で密かに気になっていたこの店と、そこにいると聞いていた変わり者のおじさん。
その正体が、こんなにも可愛い彼だったなんて。
やっぱり、自分の目で確かめてみなければ分からないことがあるのだなぁとしみじみそう思った。
岸さんは彼のことを“イワゲン”と呼んでいた。顔に似合わずいかつい名前をしている。
「あの、イワゲンさん」
「それやめて、岸くんが嫌がらせでそう呼んでるだけだから。岩橋玄樹。玄樹でいいよ。さんもいらない」
「玄樹、くん」
「うん」
「ここは玄樹くんのお店なの？私、もっとずっと年上の人がやってるって聞いてて」
「あぁ、俺の叔父さんね。叔父さんの店で、俺はここで暇つぶしてるだけ。まぁ店って言っても、客なんてめったに来ないからただ金持ちの道楽でつくっただけの場所だけど」
そうか、噂のおじさんは実在したのか。
そしてお金持ちだなんて。本当に、噂だけでは分からないものだ。
話しながら、玄樹くんは壁面棚から選んだお酒の瓶とジュースみたいなボトル、シェイカー、冷蔵庫の中で冷えていたカクテルグラスなんかを目の前に並べ始める。
飲みたいものなんて分からないままでいたけれど、私に何かつくってくれるみたいだ。
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こむぎ(プロフ) - sarusukiさん» 2はフラグが立ってるので、問題ないようであればご自身で設定をお願いします！ (2018年6月17日 18時) (
レス) id: c18b3d0fe1 (このIDを非表示/違反報告)
sarusuki(プロフ) - パート2の方が見られなくなってしまいました！！見られるようになりませんか？涙 (2018年6月17日 17時) (レス) id: bd649719ef (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 湊さん» ありがとうございます！この話は書きたい描写が多すぎるので、できるだけくどくならないように気をつけたいと思ってました…！多分まだまだ続くのでこれからもお付き合い頂けると嬉しいです〜！ (2018年5月20日 16時) (レス) id: ae12cda8c1 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - こむぎさんの書くお話大好きです！！諄くない、綺麗な文章を書く方だなぁ、といつも思ってます。これからも更新楽しみにしてます！ (2018年5月17日 13時) (レス) id: 5d99fecd0e (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - ゆりーるさん» わーいありがとうございます！3人のもともとの強すぎる個性を殺さないようにキャラ作れたらなぁと思ってるのでそう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです〜！これからもよろしくおねがいします！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 599e963edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2018年1月3日 11時
