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けれど心細くないわけでは決してなく、勇太くんのくれたネックレスをお守り代わりに身につけてきた。
一歩踏み出す度、砂利を踏むスニーカーの足音が夜気に響く。その音と共に私の緊張が増幅していった。
砂利道を進んだ先に見えたバー。
中には微かに灯りが燈っている。
扉の前、ネックレスを指で撫でてひとつ深呼吸をすると、勢いに任せてその入り口を開く。
薄暗い照明の下、目に飛び込んでくる光景は案外きちんとそれらしいものだった。
バーなんてテレビや雑誌の中でしか見たことがなかったけれど、これは普通にそう呼べる姿をしている気がする。
「…、こんばんは」
精一杯絞り出したか細い私の声に、カウンターの中の人がこちらを向く。
その姿は、とてもじゃないけれど風変わりなおじさんなんかではなかった。
まるで女の子みたいに可愛い顔をした、華奢で中性的な、男の子。
「迷子？」
彼は不思議そうに私を見てそう言った。
カウンターの中にいるということはお酒を提供する側の人間なのだろうけれど。やってきた客に第一声でそんな声をかける店があるだろうか。
もしかして、お店として経営しているわけではないんだろうか、と不安に思った。
戸惑い、彼と視線を合わせたまま二の句を継げずにいると、その隣から声がした。
「あぁ！」
カウンターの中にいる彼と向かい合う位置、客が座るのであろう席にいたのは、昨日のカメラの人だった。
「命の恩人！」
大げさな物言いに笑ってしまう。
「知り合い？」
「ほら話したろ。昨日の神社の」
「あぁ、巫女さん」
「そうそう！」
「いやー巫女さんね。ヤバいねそれは。岸くん変態じゃん」
「なんでだよ」
…何かヤバかったろうか。
どうやらただの店員と客ではなく、気の置けない仲らしい彼らのやりとりを入り口近くに立ったまま見ていると、カメラの人に手招きされその隣の席に座るよう促される。
薄明りの中でも満面の笑みが眩しかった。
カメラの人は岸くん、という名前らしい。
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こむぎ(プロフ) - sarusukiさん» 2はフラグが立ってるので、問題ないようであればご自身で設定をお願いします！ (2018年6月17日 18時) (
レス) id: c18b3d0fe1 (このIDを非表示/違反報告)
sarusuki(プロフ) - パート2の方が見られなくなってしまいました！！見られるようになりませんか？涙 (2018年6月17日 17時) (レス) id: bd649719ef (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - 湊さん» ありがとうございます！この話は書きたい描写が多すぎるので、できるだけくどくならないように気をつけたいと思ってました…！多分まだまだ続くのでこれからもお付き合い頂けると嬉しいです〜！ (2018年5月20日 16時) (レス) id: ae12cda8c1 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - こむぎさんの書くお話大好きです！！諄くない、綺麗な文章を書く方だなぁ、といつも思ってます。これからも更新楽しみにしてます！ (2018年5月17日 13時) (レス) id: 5d99fecd0e (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - ゆりーるさん» わーいありがとうございます！3人のもともとの強すぎる個性を殺さないようにキャラ作れたらなぁと思ってるのでそう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです〜！これからもよろしくおねがいします！ (2018年3月3日 15時) (レス) id: 599e963edf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2018年1月3日 11時
