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Ren
Aさんの細くて白い指が、本日二度目のカップをテーブルに運ぶ。
「……えっと、」
「…？わ、ごめんなさい！私さっき同じの持ってきてたね…。うっかりしてたみたい…」
「あ、や。…おかわり頼もうと思ってたから、ちょうど良いです、いただきます」
気を利かせてそう言ったつもりだった。
Aさんの視線が既に置かれていた方のカップに注がれる。
7割中身の残ったそれを見て、彼女は申し訳なさげに苦く笑った。
「ごめんね、ありがとう。…本当にお代わり必要になったら声かけてください」
あぁもう、なんでいちいちかっこよくキマらんのやろうか。
Aさんの様子がおかしい。
普段からもともと柔らかい空気を纏った人だけれど、今日は何だかその柔らかさが度を越してふわふわしているというか、心ここに在らずといった感じだ。
「具合、悪いんですか？」
ハッとした表情になる。
「…ううん、なんでもないの。ちょっとお昼ごはん食べ過ぎてぼーっとしてただけ」
驚いたような反応と、一瞬の躊躇い。
なんでもないわけではないのだろう。
俺が言うのもなんだけれど、この人も結構分かりやすい人だよなぁと思う。
「しっかりしなきゃだね、ごめんね」
言い聞かせるような言葉。
それ以上追求したり詮索したりするのはよそう、と思った。
Aさんのことを深く知りたい。だけどそれは彼女自らが話してもいいと思ってくれたときでいい、とそう思うことにした。
ただでさえ自分は、放っておくと無神経なことまで聞いてしまいがちだ。
とはいえ、難しいなぁ、と思う。
心底。
彼女の心を曇らすその一点でさえ、本当は、俺が払えたらいいのにと。
欲深くも願わずにはいられない。
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こむぎ(プロフ) - ひだぴよさん» 一番だなんて、ただただ嬉しいです…！ありがとうございます！読み返して頂けているということも、とてもとても幸せなことだなぁと思ってます。すっごくモチベーションあがりました！これからも書き続けるので、お付き合い下さると嬉しいです〜！ (2017年9月5日 0時) (
レス) id: ee18da60f7 (このIDを非表示/違反報告)
ひだぴよ(プロフ) - はじめましてコメント失礼します！私が読んだことある作品の中で一番このお話が大好きです！更新されていなくても何回読んでも飽きないので読み返したり更新された時はドキドキしながら読ませてもらっています！これからも頑張ってください！ (2017年9月4日 0時) (レス) id: c4715235be (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - aさん» えーありがとうございます！ここにはたくさん素敵なお話があるので、私などの話で初めて感想を書こうと思って下さったということ、本当に嬉しすぎます…！喜ばせ上手ですね…惚れそうです… これからも楽しみにしていただけるようなものが書けるよう頑張ります〜！ (2017年8月22日 1時) (レス) id: 575451942f (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - なんといったらいいのでしょうか…それはそれはもう本当に素敵なお話で胸がいっぱいになります。ここに感想を書こうと思ったのも初めてでそれくらい感銘を受けました。これからも更新を心から楽しみにしております！ (2017年8月21日 7時) (レス) id: 1755795bcf (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - みうさん» ありがとうございます！私の選んだ一つ一つの言葉で色んなことを考えて頂けてるなんて、すごく嬉しいです…私こそみうさんからのコメントにテンションがあがりました！ そんな風に言っていただけるのなら大変な気持ちなんて全くないです〜これからも頑張ります！ (2017年8月21日 1時) (レス) id: 575451942f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2017年7月9日 14時
